h22.7.25 笠取山
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 24日は久々に動ける土曜日だ。行先はあっさり決まった。金森さん08年7月のレポを見て、何時か行きたいと思っていたのだ。今回が丁度良いタイミングだろう。

 23日の仕事は早めに終えて帰宅したら、ガソリンを入れ、ローソン100で食料も買い・・・とこの辺までは勢いがあったが、色々あって、一気にモチベーションが下がってしまった。

  諦めて、出発を一日延ばすことにした。

 土曜日に掃除、洗濯、ワイシャツのアイロンがけ・・・家事をこなした。先週の土曜日は峠への到着が遅くなり、睡眠不足でその後の山行がボロボロになったので、この日はその反省で少し早めの17時に出発した。

 予想通りに国立府中までは時間がかかったが、中央道は3連休だった先週よりずっとスムーズで、勝沼ICへ。塩山のすき家で夕飯を済ませ、大菩薩ラインへ。一気に登山口の作場平に入っても良かったが、せっかく大菩薩ラインに来たのだから、この付近で手軽に朝の富士を見られるはずの柳沢峠でタント寝を企んだ。さらにポイントが高いのはここの公衆トイレは水洗でキレイなのだ。朝ごはんの後にちゃんと出してから心おきなく登山口を目指そうって訳だ。

19:24 準備OK!
目を瞑った時


ピカ

え、

数秒経ってから

ゴロゴロ 相変わらず幼稚な擬音ですが・・・

こ、これはぁ〜〜〜〜

実のところ、出発前に見ていた天気予報では夜中に雨マークが付いていたが、車で寝る分には問題ないと思っていたのだ。
しかし、これはひょっとして、

落雷
光と音とに時間差があるのだから、雷雲がまだ近くには無いことくらいは分ったが、

いくらなんでもヤバい。

倒したタントの助手席はそのままに、荷物だけを移動させ、今上って来たばかりの大菩薩ラインを下った。

何処かに屋根は無いか・・・





あった。
←翌朝撮影。
夜は19時に営業を止めるGSだったが、不思議とチェーンなどで閉められておらず、こうして屋根の下へタントを停めた。(20:10頃)
「こら、何やってんだぁ」
と怒られたら動こう・・・
窓から時々光る空を見ながら、とりあえず屋根のあるところに居ることでようやく安心できた。
さすがにここまで標高を下げてしまうと寝苦しく、何度も夜中に目が覚めたが、どうにか眠ることができた。
結局雨の音はしたような・・・あれは、夢だったのか?

ふと目が覚めた。

んん・・・まだ3:10か

トイレ!!!

さすがにここ(GS)ではまずい!とりあえず、現場写真を撮って(上画像)から、トイレの有るところ(柳沢峠)を目指して、大急ぎ!

結局峠まで我慢できず、某所で用を足した。空を見上げるとばっちり雲があり、星は見えていない。でも、とりあえず峠まで行けばひょっとするかも・・・
4:03 やはり

この峠のベンチ付近は濡れており、落雷はともかく、あのまま峠で寝ていたら雨の音で起こされたかもしれない。

星も見えないので、起きていても仕方ない。再び倒したままの助手席に横になった。富士が見えないなら、休憩をちゃんととってから動くことを優先しよう。
不思議だが、先程のGSよりもここの方が早く寝ることが出来た。ZZZ




そういえばアラームをセットせずに寝てしまったが、自然に目が覚めた。なんだか、スゴク心地良い1時間少々だった。
5:21 富士の方角は相変わらずこのとおり。まあ仕方ないか。

まあそもそもここから富士を見ることが出来たのは

h17年11月の1回だけ。つまり秋だけなんだけどね。
反対(北)側を見ると青空!おお、イイじゃん!!

とりあえず先週同様にアルミの保冷バッグに入れておいた百円のオニギリ2個で朝食を済ませ、登山口の作場平を目指すことにした。

マップルを見てもぼんやりしかわからなかったが、青梅街道の途中の何処かに表示があるだろうとのヨミで車を走らせた。
お、あれだな(これは帰りに車を停めて撮影)

一之瀬高原』を示す道路標識が出ていた。

一応舗装道だが、一部舗装が剥げた所もある林道(三ノ瀬林道)を進んだ。
ちっとも車に会わないな〜と思っていたら、バックミラーにゴツイドイツ車(VWだった)が見えた。何処かで前に行ってもらおうと思ったが、イイ場所が見つからず、←このY字路を直進するとVWは右折した。一旦引き返して標識を見直すと『一之瀬高原民宿村』とある。マップルを見るとどうやらこの方向のらしい。するとさっきのVWもハイカーかな?
しばらく進むと、展望の良い広場に出た。(後でチェックしたところ大栗展望台)
そこを通過して、さらに進んだ。なかなか着かないな〜なんて思うほど距離があった。
6:04 お、さっきのVW!
この道の右側に一台停まっており、その脇が丁度開いていたのでタントを停めた。
丁度VWから夫婦のハイカーが出発するところだった。

※この時点ではこの画像の両側に3,4台の駐車スペースしか気付かなかったが、(青梅街道側から見て)この橋の十数m手前右側にもう10台位停められるスペースがあった。
あ〜すっきりした!(紙はちゃんとあった)
6:45 金森さんのレポ(以下KRで表記)をポケットに入れ、のんびり出発。レポを作りながら気付いたが、朝ごはんは済ませたはずなのに随分時間がかかっているのだね。この時点ではどうせ富士は見えないだろうと焦る気持ちは全くなかった。

この指導標には『作場平口・一休坂分岐を経て水干まで5.2kmとある。』
歩き始めは沢の音を聞きながら。うん、これはイイぞ!
こうしてあちこちにこの森を解説する看板が立てられている。時々足を止めて解説を読んでみた。

←には『ヒノキを先に植えてみたが、冬の寒さにやられてしまった。そこで、寒さに強いカラマツを先に植えて、カラマツでヒノキを囲うようにしたところヒノキが根付いた』とあった。
この看板を見てから上を見上げるとこのカラマツ林の意味も伝わってくる。(カラマツであってますか?)
7:25 分岐

ここはKRにあった急坂の一休坂を選んだ。
おお〜、イイじゃん!

フィトンチット出まくりぃ〜
所々木段が設置されている。
7:46 あれ、傾斜が緩んだ・・・いや、そもそも何処を指して急坂だったの?
スズダケの奥に沢

気温は高いが、気持ちよく歩ける道だ。
沢沿いの整備された道をのんびり
あれ、水場かな?パイプから水が出ているぞ。
でも、まだ背中のペットボトルにはスポドリがまだたくさん残っていたので、背中を重くしたくなかった。帰りに寄ればイイかと、ここでは飲まなかった。
数時間後に思った。
一口飲んでみたら、重くなってもカモノハシに汲んだのになあ・・・
8:14 あれ、もう笠取小屋に着いた。結構早かったな〜

先客が二人、20分ほど前に私を追い越して行った若者コンビだ。彼らはザックを下し、まったりしているが、私はまだ元気だったので、一気に先へ行こうと思った。 
よし、とにかくこの『小さな分水嶺』まで行こう。

8:18 小屋の前から木道の緩やかな登り。
左側は草原。
KRには『以前は花がいっぱい咲いていたのだろうが、やはりここも鹿の食害だろうか、ほとんど花を見ない。』
ポケットからこれを読み、妙に納得した。わずかにマルバタケブキが見られるが、それくらいだった。金森さんの文章はさすがだ。
雁峠への分岐を通過すると左奥にデカイ看板が見えてきた。
8:32 小さな分水嶺 『この小さな峰はちょうど3つの分水嶺となっています。この峰の東側に降った雨は荒川に・・・西側に降った雨は富士川に・・・南側に降った雨は多摩川になります』とある。
 
この小さな峰からはなかなかの展望が得られる。
南側には富士!
北側
甲武信岳方面
とりあえず目の前の直登の前にエネルギーを補充しておこう。クリームパンをパクリ。
8:45 出発!
登山道の側にあったマルバタケブキ。このようにしょぼいものしか無かった。

そういえば昨夏、金峰山ではいっぱい咲いていたよな〜。この辺はイマイチだな〜
小さなアップダウンを進むと段々目の前の笠取が大きくなってきた。
8:49 よ〜し、一気に行くぞぉ

少し上がった所で、ソロのハイカーが降りてきた。
「イイ天気ですね〜」
N「ええ、でも暑いです!」

ここは日差しを遮るものが無く、ホントに暑かった。
9:00 上が見えてきた。でも、この辺で一休み。息を整えた。
花の形が特徴的だな。

教えてもらいました。→ニガナ
あと一息で頂上の数mが両手を使わないと登れなかった。終わってみればほんの数分だったが、その間は心臓がバクバクした。

※しかし、下るときにはこんなに危険は感じなかった。余程登りにとったコースが悪かったのだろう。
9:09 よっしゃ〜、笠取山山頂に到着!(1953m)

狭い頂上には誰も居なかった。とりあえずポケット三脚を設置できるところを探した。
なかなか富士と自分が写るアングルにならず、この画像が3枚目。

山梨百名山も59座目だ。
富士は大分隠れてしまった。
先程まで居た小さな分水嶺をズーム。
この山頂は木陰が無く、これ以上ここにいるのは無理だ。
降りる準備をしていた頃にソロの年配ハイカーが登ってきた。彼に『水干』への行き方を尋ねることができた。「そこに小さな分水嶺が見えますよね。その手前に人が二人居ますが、あの辺で左に行く道が見えます。その道を辿ると小屋からの道に合流するので、それを左に行ってください」とのことだった。この山頂の南側にあることはわかったが、さすがにエアリアには載っていなかったので、とても助かった。

9:32 下山開始。
ハナチダケサシ

komadoさんありがとうございました。
シモツケソウ
イワキンバイかミツバツチグリ

花のページの”や”さんありがとうございました。
9:45頃 先程教えてもらったように進む。
途中で『水場道・多摩川の最初の流れ』を示す指導標があったが、それは通過して『水干』を目指して進んだ。
9:59 到着!ここは多摩川の源頭(東京湾まで138km)
シモツケソウがキレイ
これが多摩川の最初の水なのかな〜、
なぜか百円玉が入っていた。ちょっと違うだろ!

帰宅して調べたらこのすぐ上に『水神社』の碑や祠があったようだが、気付かなかった。
振り返ると富士山!大分雲が湧いてきているが、成程ここからも見えるのか。
小屋の方向に戻り、ベンチで一休み。山頂は暑すぎて何も食べる気にならなかったので、パンを食べて少しまったりした。先程山頂で出会ったソロ男性がやってきた。彼は水干を見たあと、水場道方向へ歩いて行ったが、私は別の所に寄りたいので、来た道を戻ることにした。
お、この辺のマルバタケブキはイイ感じじゃないか!
10:28 雁峠分岐
KRを参考に、『のんびり昼寝できるいい場所』へ行ってみたくなったのだ。
お、イイじゃん!
先程の小さな分水嶺には十人位で賑わっている。早く出発してラッキーだったのかな。(寝過ぎたけど)
特に『雁峠』を示す指導標は無かったが、明瞭な道を辿って少し下る。
雁峠小屋

廃屋かと思い近寄らなかったが、ネットの情報では避難小屋として使えるらしい
10:39 雁峠到着
目の前の燕山を見上げるのは大菩薩の石丸峠から熊沢山を見る感じだ。(h19.11
ここから見る笠取山は文字通りの形をしている。
雲が無ければスゴク眺めが良さそう。
いや〜ホントに昼寝したくなっちゃう位の解放感だったが、今日は早めに帰るのだ。先週の渋滞地獄を繰り返すのはまっぴらだ。
11:12 来た道を引き返し、笠取小屋へ。
ザックを置いて空になったペットボトルを持ち、水場へ。
この水は冷たくて美味しかった〜
KRに「夏になると笠取山に来たくなるのは、この冷たい美水にひかれてかもしれない」とあるのが良く分かった。既に書いたが、ここの水を汲んで、山頂を目指した方が良かった。スポドリは前日に買ったものなので、とっくに常温になっていたから。
ここで、思った。この山にはまた来るぞ。(特にシャクナゲの頃)
11:27 下山開始

続々と登ってくるハイカーと出会った。バスが通っていないので、もっと人気(ひとけ)が無いかと思っていたが、作場平から手軽に登れるこの山は意外に人気(にんき)があるんだなと感じた。
11:38 ヤブ沢峠

『水干から2.3km、作場平まで2.9km』
この分岐にはなんと柳沢峠17kmともある。おいおい、いくらなんでもそれは遠すぎだろう。
この付近は水浸しでグチャグチャ。まあそれだけ水が湧き出ているってことかな。

何度も木橋を渡りながら緩やかに下る。KRには「過剰な位整備されている」とあるが、その通りだと思った。
ゴリラポッドを持ってきていないが、この付近は薄暗くてコンデジでも勝手にシャッター速度が遅くなる為、それっぽく撮れる。
ウラジロモミの大木

(目の高さに表示がありました)
12:00 ヤブ沢
『作場平口』まで1.7km
ここで3回目の食事。先程の美味しい水をゴクリ。
ここは逆にシャッター速度を早くしてみた。
12:31 タントへ
朝のVWやタントのとなりに駐車していた4WD車はもう無かった。まあ山頂往復なら5時間あれば楽勝だからね。
とりあえず汗でビッショリのウェア上下とパンツも着替え、さっぱりした。
往路を戻る。

12:54 行きは通過した大栗展望台に寄ってみた。
左のピークが笠取山。
この付近の最高峰は右端の唐松尾山(2109m)で、笠取はこうしてみるとそれ程高い山で無いことが分かる。
sanpoさんはこの付近を縦走している(レポ)が、私には到底真似できない。スゴイなあ。
往路を戻り、青梅街道へ。混んでいるところは無く、順調に走ることが出来た。今日はとにかくKRの通りに動くのだ。

13:30 のめこい湯
駐車場に入る前は数分待たされたが、浴室はそこそこの混雑。ここのヌメッとしたお湯が楽しみだったが、h19.10に初めて行った時のような感動は無かった。また、ノンビリ入って渋滞に巻き込まれるのがイヤで、40分程で出てしまった。
朝からパンだけだったので、ガッツリ食べたくって、マグロどんを注文。

でもやっぱり風呂上がりは呑みたいな〜、次にここに来るなら、歩きやバスで来たいものだ。
再び青梅街道へ戻り、奥多摩湖の湖岸を走っている頃、滝のような雨が降り出した。ワイパーを最速にしても追いつかない位だ。これは山の上に居た人は大変だろうな〜、早めに降りて良かったとぼんやり思った。
どこかで車を停めて、雨の様子を撮影しようと思ったが、場所が見つからず、青梅街道を走っていたが、ようやくここで右折して、落ち着くことができた。
水根駐車場から
低い雲が湧きあがり、ダイナミックな眺めだった。

滝のような雨も止み、太陽が顔を出した。
再び青梅街道へ。一部混雑している所もあったが、仮眠しなければ我慢できないほどの眠気は無く、奥多摩街道経由で府中へ。17:30には帰宅。

こうして7月の日曜日は4週連続の山行になったが、それは来月にとても高い山へ行くためのトレーニングなのだ。やはり、定期的に山歩きをしておかないと、長距離は歩けないからなのだ。その割には標高差や歩行時間の長いマゾな山は歩いていないのだが・・・

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