h21.8.9 金峰山
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 いよいよ憧れの金峰山にチャレンジだ!
 8日土曜に掲示板にカキコする段階でも天気予報は微妙だったが、なんとかなるだろうと予想(期待)し、この日の山行を決行することにした。
 GW以来の小屋泊まりだ。装備はあれこれ悩んだ。雨の可能性もあるので、着替えを一枚余分に入れ、パンやオニギリも2日分+αを詰め込んだ。そしてヤマケイアルペンガイド 奥秩父の金峰山のページのコピー(以降と表記)をカメラマンベストのポケットに入れた。また、ぎりぎりまで悩んだが、デジイチは置いていくことにした。展望は多分期待できないし、何よりこのぱんぱんのザックに水を背負うことを考えればやむを得ない・・・

 当日は3:30起床。5:08国分寺→立川で乗り換えて大月行きへ。これは富士急の始発に乗るパターンだ。始発なので確実に寝ていけるのが有り難いが、富士急の乗り換えと同様に次の甲府行きに乗り換えるためには早足で階段を上って降りなければならない。私と同様に多くのハイカーがばたばたと次の電車へと急いだ。
 甲府では乗り換えに余裕があったので、のんびりトイレに寄り、次の松本行きへ

7:38 韮崎駅 茅ヶ岳が見える。(多分・あってるよね。)




そしてその左(西)には本物の八ヶ岳!

おっと、のんびり撮っている場合じゃない!
7:40 増富温泉行き


普通、韮崎駅から瑞牆山荘行きのバスをチェックすると山梨峡北交通に行き着く。するとこれでは瑞牆山荘に着くのは10:03になる。これに乗って金峰山を目指すのはちょっと遅い。そこで、もっと早く行く方法がないかと『増富温泉 バス』で検索してみた所山交タウンコーチにたどり着いた。これによると韮崎駅7:40発だと増富温泉には8:39。そして上記の峡北交通のバスは8:40発。乗り換え乗り換えの時間が殆ど無いが、ちゃんとつながるのだ。そして瑞牆山荘には8:58着となる。ね、上記の駅から直通バスよりも1時間早く着くんですよ!

な〜んて、偉そうに書いているけどネット数多くある金峰山の山行記録の中からこの乗り換えを見つけただけなのだ。いや〜、ホントにネットって便利だね!
 韮崎の市街地を抜けるとみるみる道が細くなった。このバスはすれ違いで道を譲るだけでなく、左に寄せて手で合図をし、乗用車を先に行かせたりと随分周りに気を遣いながら運行していた。おそらくこのドライバー一人の判断ではなく、この会社のやり方なんだろうが、山梨のバス会社には感心させられることが多い。
 さて終点で降りたのは私の他に年配の男性ハイカー(以降と表記)一人だけだった。どうやらこの始発バスの存在はハイカーにはあまり知られていないようだ。(望の富士山をご覧の皆さん、ちょっと得をしましたね!?)韮崎駅から増富温泉までは1200円だった。
8:40 民宿土産物屋『かもしか』前がバス停
増富温泉では数分の待ち時間で上画像よりも一回り小さいバスが到着した。これに乗り込んだのは一人だけ。
彼は金峰山、瑞牆山にはもう何度も登っており、今回はテント泊を考えているとのこと。天気が心配なのは互いに一緒。私が小屋に泊まることを伝えると、雨が酷いようならテントを諦めて小屋泊まりに変更するとのことだった。

車内で日焼け止めを塗り、スパッツを履き、クマ鈴をセット!
小屋にたどり着く前に天気が悪くなったら・・・なんだか1分でも惜しい気持ちだった。
9:00 瑞牆山荘

山荘前の指導標には『瑞牆山2時間50分 金峰山4時間10分』とあった。さて、どうなるか・・・
このバスの窓が開いており、涼しい風が入ってきた!そういえば瑞牆山荘の標高が1500mを越えているのだ。冷房なんていらないよね。
ところで増富温泉から終点までは20分程で800円。山岳路線とはいえ・・・

山荘前には既に十数台の乗用車がずらり!さすがに人気の山だ。
私の前には数人の若いハイカー。足下はスニーカー!多分瑞牆だよね。(アノ格好で金峰山はあり得ないと思う)すたすたとハイペースで歩き去った。スタートは林の中をゆる〜く登る。
9:20 林道を横切る。広場(?)では小学生の集団が休憩中。彼らの『ヤッホー』の声がその後何度も聞こえてきた。子供たちは元気が一番だ。

『里宮神社入り口』とある木段を登る。
ほんの数分で里宮神社。

お参りせずにパチリと撮るだけで通過。

・・・

バチが当たったか?!

神社から数分で・・・



おお〜、瑞牆がこんなに間近に見える〜
9:34 広場。前を行くグループが休んでいた。ここからも瑞牆山がよく見えていた。『富士見平』を示す指導標に従って先へ
『やまなしの森林100選 富士見平のミズナラ林』との看板があった。そうなんだ〜、へぇ〜とパチリ。相変わらず木の名前はサッパリ覚えることが出来ない。
水場』を示す指導標もあった。さすがにここでは必要ないので通過。トレイルランのランナー3人ほどに抜かれた。大会が近いのかな?
お〜、久々に見たマルバタケブキ!
とりあえずアップでパチリ。この先にもいっぱい咲いているといいな。
9:49 富士見平

『金峰山まで3時間30分』か、よぉ〜し!
ここにあった地図。
ええ、勿論エアリアは持っていますよ。でも、せっかく(?)だからね・・・

ペットボトルのスポドリを一口飲み、先へ!
トイレの左横から伸びる登山道へ
マルバタケブキの大群落!
石畳のような道
この付近で降りてきた年配夫婦と話をした。彼らは小屋泊まりだったそうだ。この後も降りてくるハイカー十数人と出会った。

そういえば、富士見平から登りのハイカーはぐっと少なくなった。これもにある通りなんだけどね〜
ここもマルバタケブキ!

左側は飯森山(歩いているときはよく分からなかったけど)で、その山腹を巻く。
鬱蒼とした森の中を進む
前を歩いている人がカメラを向けていた。
ひょっとして・・・と思い、自分もカメラを向けてみたが、この通り・・・雲が無ければ何が見えていたのかなあ。
10:40 鷹見岩への分岐
ここはピカリ♪さんのレポがとても印象的なポイントだ。でも今回はパス。
緩く下る
10:52 大日小屋
 画像右上が鷹見岩




うーん、この後はアレ(大日岩)を目指すのか・・・
10m程下り、小屋の中に入ってみた。

意外に清潔だ。でも、ここに泊まる装備も勇気も無いな〜
ここが最終水場であることはで分かっていた。(今回もこのアングルでパチリ)。ザックには900mlのスポドリが2本あったが、少しずつ減っていた。ここでカモノハシに水を補給して置けばよいのだ。我ながら賢くなったな。ふふ・・・(誰か止めてくれ〜)
ここでは1個目のおにぎりをぱくり。(あ、画像忘れた)

数分後休憩していたさんと再会。大日岩までがかなりキツイが、砂払ノ頭で森林を越えると眺めが良くなることを教えてもらった。にも書いてあったが、生の情報を聞けるのは有り難かった。挨拶をして先に出発した。
11:08 よぉし、大日岩へむけて出発!
うわ〜こんなとこ、どうやって登るの〜???

画像左側にロープがあったが、雨で濡れておりビチャビチャだった。
には『ここからがこの行程でもっとも急な登りである』とあるし、さんも話していたけど・・・

キ、キツイ

さんに抜かれた。さすがはベテラン。ペース配分が分かっているんだな。
うわ〜、この登りは
まだまだ続くのかぁ〜


一気にペースが落ちた・・・
お、ここで登りはいったん終わりか・・・




ふと振り返ると
うわぉ

・・・

この雲が無ければ何が見えるのだろう
そして、目線を上に向けると・・・
な、なんだこりゃあ

どうやってこんなとこ登るの〜
え、お分かりですね。ここ(画像)を登るのではなく、ちゃんと巻き道がありました。でも、上記のコメントはホントに感じたことなのです。
11:39 さらに上へ
11:47 お、指導標だ!近寄ると『大日岩』とある。(厳密には実際の大日岩はここから十数分先にある。)ここにはベンチがあったので丁度よい。一休みして2個目のおにぎりタイム。さて、休みながらを読もう・・・ポケットを探るが、見つからない・・・
落としたか!
くっそ〜、仕方ない。エアリアは持っているので大丈夫だろう。でも、が無いのはイタイな〜。
その後、年配のパーティが降りてきた。彼らは岩の近くでランチのようだ。
10分ほど休んだ後、リスタート!
うわちゃ〜、いきなりこれ(←)かい!

岩と木の根の張り出したこの付近の登りはホントにキツイ!

一旦、下る。

「やめてぇ〜、その分登らなきゃいけないでしょ〜」

とは心の声。
登る!

登る!

登る!
登る
今までに色んな山を歩いてきたが、このような原生林の樹林帯の登りは未経験。難しくない登りなのだが、この付近はホントにきつく感じた。
13:08 お、そろそろか・・・
数分後
お、なんだこりゃ〜


そして、


強風!
丁度上から下りてきた男性ハイカーにここが砂払ノ頭かどうかを聞くが、分らないとのこと。

(このレポをご覧の皆さん。この辺りがそうですか?教えて下さい。)
「この下は絶壁ですよ」と表現したかったのだが、変なポーズ!?

左画像を撮った後、ウィンドブレーカーを着て一休み・・・
さっき食べたばかりだが、この先はまだまだ大変だろう。今度は菓子パンを1個食べ、スポドリを飲んでリスタート!
梯子!
ガスガスだが、あの辺が山頂なのかな
岩をよじ登ると、展望が開けた
あれが瑞牆?

いや違う
・・・

目線を左に移してみた・・・
お〜
瑞牆
が下に見える
ガスが一瞬流れてやっと撮れたのがこの1カット。デジイチを持ってきたら・・・と一瞬思ってしまった。.
さて、山頂を目指そう

この大岩の左側に道が付けられていた
お〜、なんだかイイ感じの道だ。この辺が千代の吹上かな?

大型犬を連れた男性ハイカー(以降と表示)に抜かれた。人も大変なのに、さっきの岩場をどうやって越えてきたのだろう?
ガスガスでよく見えないが、巨大な岩の脇を通過。
13:56 金峰山小屋への分岐。よぉ〜し、あと一息だ!

と、思ったら甘かった!!
どっひゃ〜、こりゃ〜キツそうだ
何度も岩をよじ登る。

レポを作っている今、を読み返して思うのだが、この辺は正しいルートでは無かったのだろう。岩にペンキで書かれた矢印を途中で見失い、とりあえず上を目指していたのだ。
登山道に復帰!?

ガスガスで見えないが、あの辺が頂上だろう。

多分、きっと、そうであってくれ〜
なんだか大変だな〜。ブツブツ言いながら登る。

お、そろそろ上が見えたかな?

途中の岩にペンキで矢印マークがあったような・・・撮っておけばよかった。ここも正しいルートだったのだろうか?
この時間からガスの量が増え見通しがさらに悪くなった。
そして、風も強くなり、寒い!
たまらずウィンドブレーカーを着た。
14:18

よぉし、着いた〜



・・・




と思ったが違った。左にどうやら道があった。
平行移動。ガスガスで何も見えないが、こっちだよな。
お、ぼんやりだが、まだ上に巨大な何かが見える。
こ、このシルエットは〜

今度こそ

間違いない

っていうキメ台詞のタレントが数年前居ましたね。
上画像の左側に道(?)があり、回り込んで、ようやく憧れの五丈岩に到着!

すごく、嬉しいはずなのだが、

強風で寒い。鼻水が出てくる・・・

お、さっきのさんだ。彼にシャッターをお願いしよう。お互いに撮りっこした。私がファインダーを覗く間、大型犬はこの寒さの中、びくともしなかった。良くしつけられていて、ご主人を守ろうとしているのかな。内心は『こんなとこに連れてきやがって』と思っていたりして・・・
14:40 いやった〜
(微妙なポーズだなあ・・・)

山梨百名山の標柱と一緒に写りたかったが、さんに頼むのは悪いし、強風でミニ三脚を出す余地は無かった。
この画像の標柱は三方向を示している。そして正面方向に『山頂・大弛峠』と書かれていたことに勿論気づいていた。そう、厳密には山頂まではあと数十mあるようだ。


さて、どうしよう・・・


寒いし、雨が降ってきたら大変だよな・・・


山梨百名山の標柱を撮ったからこれでOK!
14:42 よし、あと10分で着くんだな
大きい岩がごつごつしており、足元を注意しないと進めない。
ガスで下が見えないが、とにかく道なりだよな。そして、結構な急坂。足元に注意しながら下る。

←あちこちに人が石を積み上げたもの(呼び方がわかりません。ケルンとは違うでしょ)がある。
お、小屋が見えた!小屋の左には巨大な石柱!?
さらに下る。金峰山小屋に到着!

石柱かと思ったが、自然の岩のようだ。しかし、その上の石はどうやってあんな所に積み上げたのだろう?

ところで、今降りてきた道を10分で下るなんて無理だよね。
15:10 小屋に入ると短髪にあご髭の若い(?)ご主人(真ちゃん・HPに書いてありました)が迎えてくれた。(1泊2食で7500円
「寒そうだね。着替えたほうがイイ」と温かい言葉をかけてくれた。
18:00の夕飯までだいぶ時間があるが、さすがにヘトヘトだ。2階の寝室に上がると電気はついていないが、布団がずらりと並んでいる。(後で尋ねたら1列15枚)どうやら先客が休んでいるようだ。そーっと部屋の隅に行き、汗まみれのウェアを着替え、汗を拭いたらほっとした。
な、なんと羽毛布団(翌朝撮影)

携帯のアラームをセットしてひと眠りすることにした。
ダダダダ(幼稚な擬音だな〜)
 屋根を叩く雨の音で目が覚めた。16時半ころだったかな?小屋への到着があと1、2時間ずれていたらと思うと・・・ラッキーだっだのかな。
 先客も起きたようなので話をした。富山から来たという年配の夫婦だ。彼らは北アルプスの山々を歩いており、奥秩父は初めてとのこと。
 下に降りると炬燵で男性二人が休んでいた。(翌朝名前を聞いた・TさんとFさん)彼らは韮崎からで瑞牆山荘直通で10:03着のバスで登ってきたとのこと。自分のバスの話をすると「そうなんですか〜」と驚きの声。得意げな私。(ちっちゃいな〜)また、彼らが五丈岩に着いた頃は風が無く、ちゃんと最高点まで行ってきたと聞き、とてもうらやましかった。(ちっちゃいな〜2)
N「ところで今朝バスで一緒だった年配のオジサンがテントを担いで行くって話していたのですが、会いましたか?」
T「そういえば居ましたね〜。この雨で大丈夫でしょうか?」
N「雨がヒドイようなら小屋に行くって話していましたよ。ここにも来たことあるそうだし」
・・・
考えることは一緒だ。無事を祈るしかない。

17:40頃 真ちゃんが夕食を運んできた。電気代節約のため、炬燵で夕食にしようとの提案。なにしろ、富山の夫婦、TさんFさん、私の5人だけなのだから十分というわけだ。ちなみに夕食を宿でとったこの5人の他に大学生の4人組も居た。彼らは自炊室でレトルトのカレーだったそうだ。
お〜、ごおかぁ!
厚いチキンにメロンだぁ。
そしてなんと
ワインもサービス!
(ナイフ、フォークの洋食だが、お椀にお吸い物がイイよね。)
ご飯は圧力ガマで焚いてあり、とても美味しかった。
Fさんにお願いしてお約束の1枚。画像左が富山から来たご主人。右がTさん。Tさんもこの料理を撮っていた。
それぞれが登った山の話などで盛り上がった。今まで泊まった山小屋(h19.11h20.2h21.5)でも食事は美味しかったが、いずれも大人数で簡単な話しかできなかった。(h19はかずさんといっしょだったけど)この日のように少人数で炬燵を囲んでの食事は新鮮で、とても楽い時間を過ごすことができた。
ええ、勿論望の富士山の名刺も渡しました。
 夕食後、私は19時半に布団へ。部屋は温かく、毛布にくるまると暑すぎるくらいだった。下山してから履くつもりだった半パンに履き換え、上はシャツ1枚になり、布団に入りなおした。

 誰からともなく明日の日の出の頃に起きようかとの話もあったが、窓の外は曇り空。さて、明日はどうなるのだろう?私も携帯のアラームを3:30にセットしておいた。ダメなら6時の朝食までにもう少し寝なおせばいい。

 20時ごろには消灯したが、間もなく・・・グラっと1回目の揺れ。この時は声を出した人は誰も居なかったが、翌朝尋ねると何人かは気づいていたそうだ。

 この日体はなんとなく疲れているのに、目を閉じてもちっとも眠気がやってこない・・・そういえば過去3回の小屋泊まりでも同様だったのだ。うーん、何か方法を考えないとね〜・・・

 尿意をもよおし、携帯を見たのが22:50。寝なおそうと思ったが、ダメ。諦めて枕もとのヘッデンをそっと付け、ズボンを履き、シャツの上にウィンドブレーカーを着こんだ。




 何やっているのか、分りますよね・・・

 そう、小屋のトイレは屋外にあるので、夏とはいえきちんと着てからでないと心配なわけだ。
 
 小屋を出ると霧雨!うわちゃ〜、ダメだこりゃ〜


 この雨が強くなったら明日はどうしよう・・・

 心配事が増え、余計に目が冴えてしまった・・・

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