h21.8.11 雨の金峰山から下山
(今回は改行幅が大きい所がありますが、急いでスクロールすることのないようにお願いします。いや、まあ大きなお世話なんですが)
前日へ

ダダダダ
 3時過ぎだろうか。雨の勢いが強くなった。これはシャレにならないぞぉ。枕もとの携帯を操作し、3:30にセットしておいたアラームを切った。

そして、5時を少し過ぎた頃

グラッ (昨晩の1回目よりもフォントが大きくしてみまし。分りますか?)
 おいおい、今度はデカイよ!さすがにこの揺れで、何となく起きてきていた皆さんも布団から体を出して互いに顔を見合わせていた。下山してから見たニュースでは、なんとこの地震は駿河湾を震源とし、M6.6で静岡では震度6弱を計測したそうだ。勿論山の上には計測する機械は無いが、このとき感じた揺れはただ事では無かった。

 そこで、私を含め、皆(?)が感じたことは・・・

今日はこの小屋で足止めかも・・・
下山を強行して土砂崩れにあったら・・・

今日、下山できるだろうか・・・

 (おいおい、引っ張るなあ・・・これを考えていたのは『皆』ではなくのぞむだけだろ!)

 そこで、このページをご覧の皆さん、のぞむがどのルートから下山したのか、お考えください。






























 さて、5:25頃朝食タイムになった。(画像無し→雨で動揺していたのか?)メニューは炊き込みご飯、味噌汁。昆布や小魚などの総菜。勿論?ご飯と味噌汁をオカワリして、エネルギーをチャージ!

 食事中に真ちゃんから「○○さんから電話があったよ。」と彼の携帯を貸してもらった。(金峰山小屋には固定電話は無く、0267−99−2030は麓の真ちゃんの奥さんの留守宅の番号。ただし、彼の携帯に転送する設定になっている。ちなみに彼の携帯はau。今回も私のsoftbankは圏外・・・)

 え、○○さんって誰・・・今のところは内緒にしておきますね!

○○「今、恵林寺に着いた。4時ごろはすごい雨でこっちも驚いたよ。そっちはどおだい?」

N「うわ〜、道路が封鎖されていなくて良かった。こっちも4時ごろは凄い雨で、昨日登ってきた道を考えると、戻るのは怖いです。やっぱり大弛峠に迎えに来てもらえると嬉しいです。一人で雨の中を動くのは不安だったので、先ほど小屋で一緒だった二人に声をかけ、一緒に下山して○○さんの車に乗せてもらえるようにお願いしてみると話していたんです。」

○○「そおか、オレものぞむさんが一人で雨の中を歩くよりはそのほうがイイと思うよ。でも、オレの車を知ってるよね。ちょっと狭いぞ。」

N「ホントに助かります。有難うございます!!!」

○○「じゃあ、オレは大弛峠に行くけど、9時頃に駐車場でイイね。気をつけて!」



 え、「やっぱり」って?実は今回の山行は予め○○さんと連絡をとり、この日は大弛で待ち合わせて国師ヶ岳などに行こうとの予定だったのだ。やはりギリギリまで雨が心配だったけれど、出発する9日4時の時点では10日は曇りマークで今回の小屋泊まりを決行したわけなのだ。(もう○○さんの正体は望の富士山をご覧の方には見当がついているでしょうが
 また、「小屋で一緒だった二人」は昨晩書いたTさんFさんのこと。昨日の夕飯の際に色々と話を聞いていた。彼らもバスで来ていたので、一緒に歩くことを提案したのだ。一人の雨歩きは危険(特に私は前科がある)なので、複数の方が絶対に安心だ。昨日出会ったばかりの二人だったが、彼らもその提案を喜んでくれたのだ。

これは部屋の壁に貼ってあったガイドブックのコピー。

真ちゃんは「ここから金峰の頂上までが大変だけど、後は樹林帯だから、どーってことはない。雨が降っていても3時間あれば大丈夫」とのことだった。
 富山の夫婦は車で来ているし、大学生4人組もバスに乗るためには往路を戻るしかない。雨の中を千代ノ吹上などの岩場や木の根っこなどの滑りやすい道を下るのはとても危険だが、「気をつけて」と声をかけるしか出来ない。

 外は小降りの雨。どうせ雨具を着るならば出発時点から来ている方がイイ。これを着るのは1年ぶりだ。真ちゃんと他の皆さんに挨拶をして出発!(6:10頃)

 真ちゃんの話の通り小屋から金峰山の頂上までが大変だ。大きい岩が不規則に積み重なった道(昨日のレポの画像をご覧ください。)は一歩一歩足元に注意しなければならないし、手を使ってよじ登るところもあったのだ。小降りでも雨登りはかなりきつく感じた。3人ともふうふういいながら登った。途中で『←金峰山頂上、大弛峠 ・ 五丈岩→』との指導標を見つけ、左へ。
6:46 登りが終わりやっと一息つけた。そう、ようやくカメラを取り出す気になったのだ。レポ的には小屋からの登りの途中で撮りたかったが、さすがに余裕がなかったのだ。

N「そういえば昨日のテントのオジチャンは大丈夫でしょうか」
T「私も気になって、さっき頂上の方を見たけど、テントはありませんでした。」
大岩の間を縫って指導標の示す方向へ進んだ所、やっと見通しのよい所に出た。ケルンが幾つか立っている。(くっそ〜撮っておけば良かった。ここが『賽ノ河原』だったようだ。ここは晴れていれば展望は見事らしい)

←が、この先に進む道だと確信し、パチリ!
T「のぞむさん、そっちじゃないよ〜」後方から天の声。
6:59 
T「ほら、ここ(画像左下)に表示がありますよ。」と防水カバーがつけられた地図を示してくれた。私もエアリアは持っていたが、レインウェアの中で、取り出しにくい。なるほど、この防水カバーは帰ったら買おう。
N「また、やっちゃいましたね。これで先頭がコイツだと危ないってわかりましたか〜?」
F「後ろから見ていると見落としたことに気づくけど、一人だとある程度進まないと間違えたことに気づかないんですよね〜」
ありがたいお言葉。やはりこの二人を誘ってよかった。
 上記画像の左奥に伸びるハイマツ帯の間を抜ける道を下る。足元はビチャビチャだが、凹凸はそれ程ないので、先ほどまでと違い、大分歩きやすくなった。 
途中、目の前を小さな羽虫が飛び回る。刺されるわけではないのだが、ウザい!←はTさんのザックカバーについていた虫を撮ったもの
7:05 歩き始めてから1時間。私から休憩をとりましょうと声をかけた。それぞれにドリンクをとった。私はポケットからチョコを出し、配った。
足元に気をつけて下る。

途中で鉄山(2531m)を示す指導標はあったが、ここはピークではない。
T「ほら、向こうに登る道があります。ピークを巻いて登山道が付けられているんですね」と指摘してくれた。
今度は朝日岳に向けて登る。
広場(?)に出た。足元にはミズバショウ?

この付近で私が再び先頭になった。ジグザグにつけられた石がごろごろ転がる急坂を登る!
13:54 ベンチに到着。後から登ってくる二人をパチリ。うーん、上から撮ってもこの急坂は表現できないなあ。
今度はベンチがあるので、ザックの中のものを出して、ブランチ!Fさんはパン、Tさんのゼリーはそれぞれ美味しそうだった。私はザックカバーを開けるのが面倒だったので、ポケットに入れておいたソイジョイ

このベンチは斜面に設置されている。目の前はガスガスで何にも見えないが、おそらくは金峰山が目の前に見えるのだろう。3人ともに「晴れた日に来たかったね〜」と話した。

このベンチから数十m先に朝日岳(2581m)を示す山頂標があった。
朝日岳からは緩やかに下る。
8:39 朝日峠 大きいケルンがあったが、はて?

ここからは再び登る。
登りついた先は何だか見通しのよさそうな広場。大きい石を渡りながら進む。あ〜、晴れていればなあ。(画像無し)

ここからは下る。
そして、登る。アップダウンがあるなあ

前を歩く二人が私に気づき、イェ〜イ!
9:01 下る。途中から丸太の階段になった。これは峠が近付いてきたってことだよね。
前を行く二人から声がした。「のぞむさ〜ん、着いたよ」
そして、駐車場には○○さんが待っていてくれた。
















9:10
「いや〜、お疲れさん!」

もう、お分かりですね。
食うかいさん登場!
T、F「昨日の夜は今日どうやって降りるか凄い心配で眠れなかったんです。朝、のぞむさんからこの提案を聞いた時は凄くうれしかったですよ。あ〜、天使が助けに来てくれるんだ〜ってね。」
K「オレが撮るよ」

さすがに疲れていて、セルフタイマーでとは言いだせなかった。ちょっと後悔。
K「まあ、無事で何よりだよ。それより、ハラ減ったでしょ。」とコンビニおにぎりを出してくれた。ホントに有難かったが、食欲がさっぱり無くて食べることが出来なかった。

食うかいさんの持ってきた大きいビニール袋にそれぞれの雨具やザックを入れ、車内へ。

N「そういえば食うかいさんのビーチサンダル華やかですね。お、それからその本は・・・」

K「お、気づいた?このビーチサンダルピカリ♪さんの掲示板のキリ番でゲットしたんだ。この本はのぞむさんも持ってるよね。これを読んで、自分も歩いた気になってるんだ。」

 大弛峠の駐車場には食うかい車以外にはあと1台が停まっているのみ、間違いなくこの雨の中をここまで上がってきたのは食うかいさんだけだろう。ホントにありがとうございます!

 Tさん、Fさんは山仲間と富士山で宴会、男体山を駆け降りた・・・などの武勇伝、それぞれが結婚して子供が出来てから段々集まらなくなった。・・・などの話を聞きながら林道を下った。










 それにしても何時まで経っても6月に通った地点に行かない。この林道はずいぶん距離があることに改めて驚くとともに、こんなところまでわざわざ来てくれ感謝感謝である」

 林道をさらに降りたところで見覚えのある所へ出た。

 N「ここを曲がると6月にかずさんと行った温泉があるんですよ。そこに行きましょう!」
6月に撮影
(写っているのはかずさん)
だって、今回の山は・・・だったら金峰泉に行かないと!
「この温泉は新しいよね〜、へぇ〜、ダムが出来て移転したんだぁ〜」と入り口に書いてあったこの温泉の『ごあいさつ』を見ただけでご主人にため口で話しかけていた。いや〜食うかい節は今回も健在だ!
3人ともここの風呂を気に入ってくれ、温かい浴槽にしっかり浸かった後、冷たい浴槽に入るのも好評だった。
風呂の窓から見える山々(金峰山は見えていない)はガスの中、あの辺はまだ雨が降っているのだろう・・・
「瑞牆山荘を目指していたら、まだ山の中でしたね。今日は本当にありがとうございました。
風呂を出ると・・・










くわぁんぱぁ〜い♪


「食うかいさん、イイんですか?」
「イイんだよ。オレはウーロン茶でもテンションが変わらないから!」
コンニャク

これと味噌がよくあうんだ〜
馬刺し

とろける〜
これは「若い人は食べっぷりがイイね〜」とご主人からのサービス
「イイお湯でした〜」
「美味しかったよ〜」
皆でお礼を言い、金峰泉を出た。

車内でこんな会話があったりして・・・
「あれだけ頼んで3000円で済んじゃった。ビール大瓶が600円で4本頼んだんだよ。それとコンニャク2つと馬刺しだよね〜。伝票には3☆00円ってあってけどね〜、大分まけてもらっちゃった♪。今頃おっちゃん後悔してないかな〜」「まあ食べっぷりに喜んでいたからイイんじゃないかな〜」
食うかいさんは塩山駅まで送ってくれた。(12時過ぎに到着)
ホントにありがとうございました。次はこの4人で天気のイイ日に金峰山小屋に泊まりましょう!

ちなみに塩山駅にあったタクシーの料金表も載せておきます。6月に行った焼山峠が7400円。ガイドブックには大弛峠は12000円とあったけどね。駅からどれだけ遠いのか分りますよね。ホントにありがとうございました。
TさんFさんとは中央線の各駅で一緒に帰り、途中駅で別れた。彼らはこの後剱岳・点の記を観に行くそうだ。ホントに山が好きなんだなあ。

 今回は標高差1000mをこなして憧れの五丈岩に行くことができ、一つの目標は達成できたが、金峰山からの大展望はお預けとなってしまった。その一方で金峰山小屋という素敵な小屋を発見し、ナイスな山仲間と二人知り合うことが出来、食うかいさんとの友情を深めることが出来た。ホントに有意義な2日間だった。

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