h20.10.19 黒富士
前回へ  サムネイルをクリックすると大きくなります

 この日の来るのを指折り数えて楽しみにしていた!
そう、6月に節刀ヶ岳でお会いした吉野さん(山梨百名山から見る風景)に、この時期の黒富士を誘われていたのだ。山梨百名山は勿論、八ヶ岳や日本アルプスの名峰に数多く登り、山の魅力に取り憑かれた(失礼)吉野さんが案内してくれる今回の山行はホントに楽しみだったのだ。

 当日は3:30起床。国分寺5:08乗車。そう、このパターンは立川始発で大月到着が6:20。もちろん立川からは熟睡。これは終点だから乗り過ごす心配も無いしね。大月では富士急の乗り換えまで2分しか無く、走らないと行けないのだが、今回は甲府行きに乗り換えだ。こちらもトイレに行く暇は無い位に慌ただしく、階段を登って下りて、6:23発だ。やれやれもうちょっと余裕のあるダイヤを組んでも良いのではないかい。
甲府には7:12到着。待ち合わせの信玄像を目指した。

7:14 信玄像前
挨拶もそこそこに登山口へ向けて出発。

昇仙峡ライン、県道101を北上。そういえば、H18GWに通った道だなと思い出した。あの時は閉鎖されていた観音峠林道を北上。
途中で平見城登山口もチェック。「ここからのコースがメジャーな黒富士への登山道なんだよ」とのこと。
林道に戻り、観音峠を東へ。
エアリアには出ていないが、ちゃんと指導標の示す駐車スペースへ。「あれ、今日は1台も停まっていないか〜。でも、イイ天気だから誰かと会うよ。」とのこと。
8:10 駐車スペース。
「この辺はイイ色ですね。」
中央線の車窓から見えた空は曇りがちだったが、この時間になり、青空が広がっていた。紅葉と絡めて富士をとれるかな?期待が高まった。
8:21 出発。
ザックからステッキを取り出し、スパッツもセットして、歩き出した。「黒富士まであっという間だよ。もう稜線が見えるだろう」そして、「あ、そうそうこの辺はクマが居るんだ。」
「え〜、ホントですか〜」慌ててクマ鈴もセット。
ペンキでが付けらている。
8:35 八丁峠
「さっきの平見城登山口からだとココに出るんだ。下からだと1時間半くらいかな。でもこのコースだとあっという間だろ」
「お、ここにもトリカブトが咲いていますね。先週の三国山稜でもありましたよ。」とポケットからコンデジを出してパチリ。

「あ、そのレポは見たよ。この時期にはあちこちで咲くんだ。」

「せっかくだから一眼で撮りますね。」と吉野さんのマネをして首から下げていたデジイチで撮ろうとしたのだが・・・
「あれ、液晶が消えている」



しかもやけにカメラが
軽いな・・・







電池がない

うわちゃ〜、電池カバーが開き、昨晩充電しておいたエネループが落ちたようだ。そりゃ〜軽いよね。

「え、落としたのかい?探してみるか?」

「もう仕方ないです。予備がありますから」

ショックは少なかった。単三電池はザックの中に用意しておいたのだ。これはエネループが切れた時の為にとっておいものだが、まさか、こんな形で役立つとは思わなかったけどね。今までデジイチはザックに入れており、必要な時だけ取り出していたのだが、吉野さんのマネをしたのが良くなかったのかな。そうか〜、このカバーは意外に外れやすいんだな〜
「これで大丈夫です!」

新しい電池をセットした後、ビニールテープで電池が飛び出さないように止めてみた。

「これもレポのネタにします」
8:52 山頂まであと20分の表示
「これは何て言う花ですか〜」
「あ、それは蝮草だ。ほら蝮の頭に見えないかな」
岩の急登!(ただし数m)
9:09 黒富士展望台?
「ここからの眺めは良いぞ〜」

このポーズ、私は出来ません。マヂにコワイです。足元は崖なのだ。
「うわ〜、すごいですね〜」
早速コンデジで撮影。
遠くに八ヶ岳 金峰山・五丈岩をズームで
先程の反省からザックに入れて置いたデジイチを取り出すと・・・
「せっかくだから三脚で撮ると良いよ。ほら」
吉野さんから手渡された三脚はズシリと重かった。
「え〜こんなに重いのを担いでいるんですか〜」
「以前使っていた奴はもっと軽かったんだけど、強風で倒れた事があってさ〜。これくらいじゃないと安定しないんだ。特にオレはバルブもやるしね〜」
ずしりと重い三脚を岩場にセット。さらにはPLフィルターもお借りした。レンズの径は吉野さんのレンズの方がずっと大きく、レンズに装着は出来ないのだが・・・

「レンズの前でまわしてみなよ。」

試しにやってみると・・・

おお、雲がクリアーだ!

「有り難うございます。実は秋分の日に撮影中、これ(ペンタ・18〜55mm)とタムロン(28〜300mm)を替えている時にレンズにホコリが入っちゃったんですよ。すぐヨドバシから修理に出したんですが、修理から戻ってきて、先週の山行で使ってみたらまだホコリがとれていなかったんですよ〜。イヤになっちゃいますよね。PLはタムロンにしか付けていなかったんです。やっぱりPLがあるとクリアになりますよね〜」
な〜んてのたまいながらデジイチで撮影して、早速出来を確認
おお、クリアだ あれ?真ん中辺に・・・ うわちゃ〜
「あれ〜またゴミが見えますね。これってタムロンのレンズにあったのと同じ形です。」
「おかしいな〜こっち(ペンタ)のレンズでは見えなかったんですけどね〜」

「絞りじゃないかな」

「な〜るほど!確かにこっちで撮るのは花が殆どで、絞りは開放で撮っていたのですが、今日は風景を撮っているので、f8〜f11位にしていました。」
試しにレンズを外し、内部を覗いてみると・・・
やはりミラーにこのU字型のゴミがあったのだ。
いや〜ヨドバシで店員に『お客様、確かにカメラでは無くて、レンズの汚れですね?』と聞かれたのに、「ええ、もう一つのレンズでは汚れが見えなかったんです!」って言っちゃったんだよね・・・


でも・・・


大丈夫です。これもレポのネタにします
という訳で、敢えて今回のレポではこのU字型のゴミは取らずにアップします

「じゃあ今度はホントの黒富士の頂上へ行こう。」

黒富士山頂までは数分で到着。(9:30頃)
「ほら、富士が見えるよ」
「うわ〜ホントだ。今日はダメかと思っていましたよ〜」
「でも、ここは展望が良くないんだ。少し先にもっとイイトコがあるからそこへ行こう。ザックは置いておくとイイヨ。」
道無き道を進む吉野さん・・・

デジイチをザックから出して首に掛け、吉野さんの後を追いかけた。
「ほら、ここだよ。どうだい、良いだろう?」
「うわ〜ホントですね〜。さっきの山名標の付近は気が邪魔していますからね〜。よくこんなトコ見つけましたね〜」
「いや〜オレもさ、偶然見つけたんだよ。う〜ん、松の木が伸びたな〜。でも、ココに雪が付いたときを狙ってみようかな」
・・・
アングルにどん欲だな〜、さすがのこだわりだな〜
「是非記念撮影をしましょう。やっぱりこの山名標と撮りたいです。」
吉野さんの重い三脚にコンデジをセットし、パチリ

「じゃあオレのでも撮ろう」
今度は吉野さんの重いデジイチを三脚にセット。

「あ、そうだ、ちょっと待って下さい!」
そう、大事なことを思い出したのだ。
「このトレードマークが必要でした!」
とザックからスポーツタオルを取り出して首に巻いた。それ程暑くなかったので、ザックの中にあったのだ。
「そうだよな。よ〜し、オレもこれを」
と吉野さんはバンダナ
さらに、「ちゃんと五丈岩が見えているかい?」
「あ、ホントだ。ここからも見えるんですね。」
とカメラのアングルを修正した。
二人とも記念写真にはこだわるのだ!
10:00
「じゃあ次は○○へ行くよ。」とスタスタと降りていく吉野さん。

「あ、は〜い」

でも、○○が何処なのかよく分からなかった。黒富士以外の山は全然位置関係が分かっていなかったからね。

この途中で本日初めて他の登山者(ソロの男性)に出会った。先程の駐車場に停めたのだろうか。
10:14 8:52に通った分岐へ戻る。
「ほら、ここに指導票があるよ」

「うわ、ホントですね〜、ショボ〜イ」
「さあ、あそこへ登るよ。」
「あれ、前に来た時と道が付け替えられているね。でも、あの方向に登ればイイんだよ。」
@「ほら、ここから富士と黒富士を重ねて撮れるよ。」
Aススキを掻き分け、上へ。
10:23 「これはマウントピア黒平のオヤジさんがつけたんだよ。これは巻道で升形山は通らないんだ。」
「ここからはちょっと急登だよ。」

ココの斜度は結構キツカッタ。先週の高指、鉄砲は楽すぎたから、これくらいのマゾっぽさが無ければ山じゃないよね。
10:29
「どうだい、ここからの眺めはイイだろう」
「うわ〜ここもイイですね〜」
「オレはココも山梨百名山に入れてもイイと思うんだけどね。」
「いや〜ホントですね。」
「山名標はほら、これなんだよ」
では、そのイイ眺めを
正面に黒富士
また違った形に見える
これはゴミを消してみた。
うーん、逆に変かな〜
「あれが撥岩だよ。この後あそこまで行って、昼飯にしよう」
10:53 撥岩へ出発
「ここからは地図には載っていないんだ。オレが偶然見つけたんだよ。」
↓「ここも急だから気を付けてね」
「この山梨県が付けた境界見出標ってブナの木が可哀相だよな〜」
「ここでさっき(10:23)の巻道と合流するんだ。@ここからはマウントピアのオヤジがピンクのテープを付けているんだけど、こりゃやり過ぎだよな」
Aここからはほぼ水平移動
11:14 ささっぴら(笹平)
なるほど、確かに笹がいっぱいの広場だね・・・

さらに進む
11:21 黒富士峠
ほら、ここから見ると円錐形に見えて、『黒富士』って分かるだろう。でも、あの木がちょっと邪魔なんだよな〜」
「な〜るほど!でも、この時間だと光線が良くないですね」
「ここを下る(画像無し)とマウントピアに行くんだ。それで、ここから先はホントに道がないからね。」「おいていかないで下さいね〜。」
☆吉野さんのレポ(h19.11h19.12)に詳しいことが出ています。
てな訳で・・・林業の人が通った所なのか、それとも獣道なのか分からないが、ササヤブの中にわずかに見える踏み後を辿って進んだ。
A小ピークを越えて下る。こりゃ〜マヂに薮道だ!B足元にはケーブル。吉野さんがこのコースを見つけたとき、これを見て安心したとのこと。そうだよね。山の中で人工の物を見つけると安心するよね・・・
11:42
お、何だかイイ感じの所だ。でも、吉野さんはさらに先へ進む。結構凄いところを通るな〜
吉野さんは数m進んだ所で待ってくれている。「気をつけてね〜落ちると大変だよ〜」足元は崖!いや〜ホント、マヂ怖くて写真を撮ってる余裕なんて無かった・・・
11:46 「さあ、着いたよ〜」
辿り着いたのが撥岩の一角。画像でちゃんと紹介したいのだが、何しろ狭いので、↓の様な所だと言うことでご勘弁を・・・
1時間程前に向こう側(枡形山)から眺めていたのだが、ここからの眺めはホントにスゴイ!
「いや〜ホント吉野さんと一緒じゃなかったら絶対に来れませんね。有り難うございます!」
「よ〜し、昼飯にしよう。オレが水を沸かしてあげるよ。水も1.5l持ってきたんだ。」
「あれ、有り難うございます」今回は私もコッフェルと水を500mlを担いできたが、先週のJUNに続いてまたまたお世話になってしまった。意地になって自分で沸かすと言い張っても仕方ないしね。
さらにはインスタントコーヒーまでご馳走になった。

ザックの中から煎餅を取りだし、せめてものお礼。
「あ、食べているところもお願いします。」
それでは鉢岩からの大展望を・・・
吉野さんはここを発見したのは偶然だったそうだ。(詳しくはこちら
12:50 満足して、帰路へ・・・

この画像からも薮道であることがお分かり頂けますか?
13:07 黒富士峠
「特に道は無いけど、向こうに行けば林道に出るよ。」
遠くに八ヶ岳
今度も道無き道を進む・・・
13:18 林道
「あ、ココに出たのか。あれ、木にテープが着けられているね。ここから登れば撥岩への最短コースってことか」
「ガードレールには『B』と書かれていますよ。これとカーブミラーが目印になりますね。」
さて、このレポを見てココへ来る方はいるでしょうか・・・
「後は林道を歩いて車に戻るだけだよ。」

ステッキをザックに戻し、のんびり歩き始めると・・・
「うわ〜イイですね〜」
この付近は赤くなる木は少ないそうだが、この黄葉もなかなかキレイだ。イイ天気に恵まれた。今日はホントにラッキーだ!
13:40
他に1台が駐車してあったが、何と大阪ナンバー

はるばるこんなにマイナーな山に来るなんて余程のマニアでは・・・


車内で茅ヶ岳標柱修復レポに出てきた大明神林道の行き方を尋ねると「じゃあ行ってみようか」と案内してもらった。画像のように荒れた道なのだが、以前は雨の後はひどい泥濘になるところを砂利を入れててくれたとのこと。どうやらタントでも行けそうだ。深田公園からしばらくはつまらない道なので、この道は利用価値がありそう。
林道へはこの建物が目印

ついでに寄ってみた深田公園。車がズラリ!このようなマイクロバスもあった。今日の好天で多くのハイカーが歩いたのだろう。

帰路の途中「ここから見る太刀岡山はイイだろう。本当に太刀のように見えるよね。せっかくだから撮ってきたら」と車を停めてもらった。
15:39 要害
「今度は前回」と違った所に行こう」と連れてきてもらったのが、こちら。
入浴料は700円でリーズナブル。
小さいが甲府市内を見下ろせる露天に浸かり、山の話で時間の経つのを忘れ、1時間程の〜んびり。
風呂から出て、甲府駅まで送ってもらった。

吉野さん今日は本当に何から何まで有り難うございました。ホントに楽しかったです!!

せっかくだから信玄像をパチリ。
16:48
前回のリベンジ?だ。今度こそとキオスクで缶ビールを買い、ホームへ。5分程の待ち時間でやってきたのはホリデービューやまなし
車内は混雑していたが、4人掛けシートの一角が空いていた。このレイアウトだと前に座る男性と膝が重なってしまうので、やや斜めにして座ることにした。

乾杯!そして爆睡!!

立川で乗り換え、自宅に着いたのが19時頃。
HOMEへ 次回は11.3 今倉山

☆さて、吉野さんと歩きながら話題に出てきたマウントピア黒平ですが、あまり儲かっていないそうです。ココが盛り上がれば黒富士近辺が整備され、歩く人が増えるかもしれません。このレポをご覧の皆さん。よろしくお願いします。

☆自宅に帰ってからネットを検索しているとあのピカリさん達も同じ所に車を停めて、黒富士や枡形山を歩いていたことに気付きました。車が無いと行けないエリアですが、素晴らしい展望を手軽に得られるコースとして、もっと多くの人々に歩いてもらいたものです。

☆吉野さんのレポはこちらです。併せてご覧下さい。(3.20追記)
inserted by FC2 system