h24.9.29 国師ヶ岳2、北奥千丈ヶ岳2
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前回のレポの冒頭に
『「24、25日は22、23日の代休。○岳に行こうか、いや大○峠に泊まって○○山か。数日前から楽しみにしていた。』
と書いた。実は○に入るのは『北岳に行こうか、いや大弛峠に泊まって金峰山か』だった。(ばれてました?)
この9月はラッキーなことに2日連続で動ける日が3週続けてあり、そのどこかで憧れの北岳に登ることを計画していた。この29,30は最後のチャンス。27日夜時点での天気予報は『29日は晴れ、30日は曇り』だったので、カメラ、食料、着替えなどを一通り準備を済ませた。28日に帰宅できる時間によって、電車で甲府、tantoで芦安の両方ができるようにして出勤!
どうにか18時前に帰宅して、夕食。TVをつけると最初のニュースが『台風17号は30日夜から1日の未明に関東に最接近する。また、進度が速まる可能性もある』だった。
29日は晴れだからとにかく上までは行けるだろう。でも、降りてくる途中に雨が降って来るかもしれない。また、芦安や甲府から暴風雨の中ウチまで帰ってこられるか。
でも、今回を逃すと今シーズンの北岳チャレンジはもう無理だ。(10月は土曜休みが無い)
数分考えた。
諦めよう。そうさ、山は逃げないよ。(タイトルを見れば分かるって)
エアリア『北岳・甲斐駒』やガイドブックのコピー、登山計画書をカメラマンベストのポケットから出し、エアリア『金峰山、甲武信』に取り替え、前回の候補に入っていた大弛峠に変更することにした。北岳の代わりに行くなら日帰りで行けて、なるべく高い所がイイ、アノ辺からは北岳も良く見える筈だ。(安直)
なんだかんだで自宅を出たのは19:30。ちょっと遅くなってしまった。
今夜も国立府中から中央道へ。曇り空がちょっと不安だったが、今夜から明日は晴れマークの予報を信じよう・・・
勝沼に降りたのが21時過ぎ、途中からガソリンの残量が不安になっていた。大弛への林道に乗ってしまうとGSは無い。
よし、ナビで検索だ!
ずらっとヒットした。とりあえず近いところへ。
ブドウ畑の中をクネクネとナビ任せで走ること数分で到着。
あれ、締まってる!
じゃあ次だ。
ブドウ畑の中をクネクネとナビ任せで走ること数分。
『到着しました。○分かかりました』ナビの声はするが、そこにはGSなんて無い!
よく見ると、この空き地ってことか?
つまりはデータが古いってことだね。くっそぉ〜!
じゃあ次だ。
ブドウ畑の中をクネクネとナビ任せで走ること数分。
あれ、締まってる!
いくら何でも分かった。この辺りは21時過ぎにはもう営業していないのだ。
スタンドの中は灯りが照らされているものの、誰も居ない。ノックしてみたが、反応も無い。
う〜ん、どうしよう!
甲州街道に出て、甲府まで行くか?石和や甲府辺りまで,戻れば何とかなるか・・・
ナビで甲府辺りのGSを確認すると、結構距離があるし、そもそも営業時間なんて表示されるはずもない。
でも、今居るGSの直ぐ側にもGSがあることがわかった。
そこまで行ったが、案の定締まっている。でも、今度は電話ボックスがあった。タウンページを調べ、このGSに電話してみた。
チリリリーン♪
空しく店舗の中で電話が聞こえるが、誰も出ない・・・
ダメ元でこのGSの番号の直ぐ下に載っている○○さんに掛けることにした。
「もう営業していません」と言われて当たり前だし、その返事なら開いているところを聞いてみようと思っていた。
男性が出た。事情を話すと、「数分で行きますからお待ち下さい」とのこと。
おお、天の助けかも!
ホントに2、3分で、多分私と±5歳位のポロシャツ姿の男性が現れた。
N「ワガママを言いまして、有り難うございます。」
「この辺は19時くらいで皆締まってしまうんですよ。お困りだったでしょう」
勿論満タンにしてもらった。
(いつも地方で入れるときは割高なので、1000円分をお願いするのだが、今回は御礼だ。)
勝沼の平塚燃料さん、有り難うございました。
再びナビ任せでブドウ畑を抜け、国道140へ。牧丘トンネルの手前から林道(?)へ。このルートは一昨年の10月以来だ。あの時は勝沼辺りをさまよって随分遅くなってしまったが、今日はそれよりも遅くなってしまった。トホホ・・・
乙女峠への分岐を過ぎてからがまた長い。メントール系のガムで眠気を必死にこらえ、先へ進んだ。
ナビの標高がどんどん上がる。ナビを付けてからここへ来るのは初めてだ。大峠の標高をとっくに越えた。改めて今夜の行き先が高いことが分かった。
勝沼や牧丘辺りでは曇っていたが、この付近から空が明るくなってきた。月明かりだ。満月まであと2日、北岳の上から見えたらどうかななんて思い巡らせていたしね。
また、3,4回鹿を見たが、今年の7月のように車道に出て、こちらをガン見するようなヤツは居なかった。
ようやく23時過ぎに峠に到着。既にずらっと車が泊まっており、ヘッデンの灯りが動いている。この時間から登ってバルブを楽しもうって事か?
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23:31 お約束写真はもうこんな時間。トホホ。
今夜の寝場所は標高2365m。寝袋の上に毛布も持ってきた。百均のアルミシートを周りに貼る元気もなく、さっさと寝ることにした。 |
3時のアラームが早かった。今夜は夜中に起こされることも無かった。
まずはドアを開けてみた。
☆☆☆よっしゃ〜!それに不思議だが、それ程寒く無かった。
まずは秋用のフリースズボンを履き、秋用の長袖、フリースの上着を着込んで数十m先の公衆トイレへ。
朝食は自宅から持ってきたヨーグルト、小さめのパン。今朝は国師まで1時間弱の登りだし、上でお湯を沸かして温かいものを食べるので、これでイイだろう。
3:45出発。ヘッデンを点けたソロ女性を抜いた。三脚を背負っているようには見えなかったが、はて?
大弛小屋の右側から始まる道はは
一昨年の7月に食うかいさん、ダマさん、はるさんと歩いたが、細かいことは忘れていた。階段や木道歩きが殆どで超楽ちんだ。あっという間に暑くなったが、上までそれ程かからないし、脱ぐ時間も勿体ないので先を急ぐことにした。
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4:21 前国師到着。先を急ぐ。 |
4:35頃国師ヶ岳に到着。
「バルブをやっているので、ヘッデンは下へ向けて下さい!」
N「あ、すみません!」
月は大分下がっていたが、月明かりの為にぼんやり見える。三脚がずらり並んでいる。この付近には十数人のカメさんがいるようだった。ヘッデンを下に向けながら付近を探すと左側は木々があるものの、富士の方向はちゃんと見えるところがあった。
レジャーシートを敷き、荷物を置いたらまずはダウンを着込んだ。風が殆ど無いので、寒さは殆ど感じなかったが、汗がひいたら辛いだろう。それにこの後は結構時間がかかりそうだ。
街明かりがキレイで、富士もちゃんと見えている。
よし、バルブに挑戦だ。でも、レリーズを忘れたので、セルフタイマーを2秒にセットし、ダイヤルをBにして、シャッターを押してみた。
でも、どれくらい開けていたら写るのだろう・・・
もうヘッデンが無くても周りの様子がわかる明るさになっていた。三脚を離れて、カメさん達を観察してみた。皆さんはダウンを着込んでいる人が殆どだ。先程の粗相が気になってさすがに声を掛ける勇気はなかった。
数分後、カメラに戻ってモニターを確認・・・何も写っていな〜い!
3回時間を変えて試してみたが駄目。
根本的にやり方がおかしいのだろう・・・ウチに帰ってマニュアルを探さないと。あれ、どこだっけ。
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5:11
この青と赤のグラデーションがたまらない♪ |
グラデーションは富士の方へ。
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5:16 |
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5:21 |
んん、
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5:34
西側の雲が焼けてきた〜 |
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おお、北岳も! |
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♪ |
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木々の無いところを探したかったけど、ロケハン不足だね。 |
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5:39
こうして色づき始めた木々もある。もう2週間くらい後が見頃かな? |
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山頂の様子。もう撤収を始めた人も居る。「徹夜だからキツイよ」なんて声も聞こえた。 |
もう手持ちで十分の明るさになった。こちらはもう少し撮影を楽しもう。
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南アルプスがズラリ! |
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北岳ズーム。
手前は鳳凰 |
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甲斐駒もズーム! |
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5:55
富士の下側の雲がイイ感じだ。 |
そろそろ朝ご飯にしよう。お湯を沸かし、アルファ米に入れて待つこと15分。その間に付近を周り、声を掛けることにした。
ハムの機材をセットしている人が居た。若い頃はもっと高い山目指す登山をやっていたが、最近はこれにはまっているとのこと。ハムをやる方に会ったのは
一昨年の9月の節刀ヶ岳以来だ。色んな楽しみ方があるのだね。
また、ゴツイ三脚を片付け始めた方にも声をかけ、今日の成果を見せてもらった。2時過ぎから撮っていたというその画像の数々は素晴らしいものばかり。特に2時頃に月明かりに照らされた雲海に浮かぶ富士は見事だった。→
ブログも教えてもらった。
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今回はわかめごはん。前回がアルファ米初体験だったが、中に入っているスプーンが短く、すくい取るのが大変だった。そこで、今回はウチから柄の長いものを持ってきた。おかずが無いことに気付いたが、軽く食べるだけならこれで十分だった。 |
今度は背の高い男性に話しかけた。
この方は昨日
伊豆から来て2時過ぎに登りだしたとのこと。
こちらは府中から来て、3時起きだったなどと話していた。
「車は?」
N「tantoです。シートを倒すとよく寝られます」
「ひょっとしてのぞむさん?」
N「え、わかりますか?」
「
筒井です」
N「うわ〜、気付きませんでした。
5年ぶりですね〜」
「いや、オレも似てるけどどうかなって思っていたんだ。」
この方は「
富士春夏秋冬」の筒井章さん。自分も拙い写真を掲示板に投稿すると「のぞむさん、毎度です」で返事をもらっていた。
N「ホントは今日北岳に登りたかったんです。」
T「オレも○○を考えていていたけど、諦めた。高い山は風の影響を受けやすい。それに南風が入ると富士は見えなくなるんだ。」
N「なるほど、残念だけど、諦めて正解ですね。」
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記念写真をお願いした。 |
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徹夜だったのでもう降りるという筒井さんに挨拶して、こちらは北奥千丈を目指すことにした。三繋平の分岐まで下って、そこからほんの少し登ればもう北奥千丈に到着だ。 |
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ほぼ一緒に到着したヒゲ男性の分を撮り、自分もお願いした。
その後、この山頂標で3カップル、ソロ男性の記念撮影を引き受けた。我ながら良くやるよね。 |
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さて、この山頂から富士は見えないが、他の山山の眺めが良いのだ。
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南アルプス南部
手前は金峰山 |
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八ヶ岳 |
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お湯を沸かしてコーヒータイム♪明るくなってきたのでまた撮ることにした。
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手前の黄葉を入れてみた。PLを効かせているので嘘みたいな色になった。 |
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五丈岩。昨日の時点ではあそこまで行くつもりだったが・・・ |
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先程まで居た国師ヶ岳。 |
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北岳の手前は地蔵ヶ岳のオベリスクだ。 |
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瑞牆山 |
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そして瑞牆からも見えた男山、天狗山。そそられるな〜 |
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浅間山。(あさまやま) |
小一時間もここに居た。もう降りよう。
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ふと見上げると赤と黄色のコントラストが美しい。 |
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前国師。
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続々と登ってくるハイカーと出会う。この晴天を2600mで手軽に楽しめるのだ。皆考えることは同じだよね。
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シャクヤクいや違ったシャクナゲ
(この間違えは多分あと3人の方しか分からない。) |
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もうこの付近は秋が一足早く始まっている。 |
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8:27 夢の庭園へ。ベンチに荷物を置いてデジイチタイム〜
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カッコイイ〜。今シーズンは登れなかったけど、またこうして何度も撮ることになるだろう。
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うわ〜。繋がってるな〜。国師目当てだけでなく、金峰山にもスゴイ数のハイカーが大弛峠に来ているのだろうね。
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それにしてもこんなところに良く道を作ったもんだ。 |
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9:15 峠へ。多くのハイカーで賑わっていた。トイレへ寄り、着替えを済ませ再びマットを敷いた。昨日の時点では日の出の時間は国師に居て、峠に戻って三脚を置き、金峰山を目指すことも考えていてが、もう無理だぁ〜
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いつもと逆向きに・・・ |
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窓を20cmくらい開けておくと、心地よい風が入ってくる。快適だぁ〜
爆睡まではいかないかったが、横になれて幸せだった。
10:30にアラームをセットしていたが、10:15頃目が覚めたので、もう出発することにした。
上から見たようにズラリと並んだ車の脇を進む。登りの車とすれ違う為にバックすることもあった。タクシー2台とすれ違った。ホントに今日は大混雑状態だ。
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11:03
林道から
お、傘雲だ!
天気の変わり目って事だよな。 |
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大弛に来たのだ。金峰泉のステキなお風呂と美味しい食事をと思ったが・・・ |
この晴天だ。何処へ行っても混んでいるだろう.。風呂を探すのは止めて一気に高速を使って帰ることにした。
昼食に寄った談合坂もスゴイ混雑だったが、小仏渋滞の始まる前に通過できた。500円を節約して八王子で一般道へ。
15時過ぎに帰宅。洗濯をしたらもうヘトヘトで爆睡!
天気に恵まれた9月は4週続けてのtanto泊。ヘッデン歩きで朝の風景を見るのは私にとって至福の瞬間の筈なのだが、それも続くと感動が無い。北岳というメインディッシュの前にオードブルでお腹いっぱいになって、メインディッシュを食べ損ねた感じだ。
翌30日は気持ちのイイ朝を迎えた。行けば良かったかと数回思った。でも、昼過ぎから風が吹いてきて、夕方に雨が降り出した。どうやら上陸してから台風のスピードが上がったようだ。今回登るのを諦めたのはやはり正解だったと思うことにしよう。そう、
山は逃げないのだ。
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