h22.3.20 七面山
前回へ
七面山では春分の日にダイヤになることはヨッシーさんの一昨年、h18、h17のレポを見て、よく知っており、『いつか自分も』と思っていた。しかし登山口から撮影ポイントの敬慎院までの標高差が1200m。夜中に4時間歩くなんて未経験だし、春分の日は祝日とはいえ、翌日の仕事を考えると尻込みしていた。今年は丁度春分の日を真ん中にした三連休。今年を逃すと来年は翌日が平日・・・やっぱり今年行きたいなぁ~
前回のレポにも書いたが、週末の天気予報は土曜日は晴れ、日曜日は雨のち曇りとのこと。う~ん、春分の日はダメか~ぁ
え~い、やってみよう!一日前でもほぼダイヤになるだろう。それなら翌日は休みになるということだ。
金曜は大急ぎで帰宅。16時に自宅を出発し、16:20に国立府中ICから中央道へ。三連休の前日で、渋滞にはなっていないが、結構混んでいた。
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18:06 双葉PAで夕飯。
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鳳凰も見えている。この晴天が明日も続くとイイなあ |
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双葉JCから中部横断自動車道へ。薄暗がりだが富士が見えていた。10分弱で白根ICへ。(18:15、八王子から2250円)その後はしばらく52号を下る。ここも交通量は多いがそこそこ流れた。
飯富で右折し、県道410へ。最初は間違えたかと思うほど細い道だったが数分で早川橋で
県道37に合流。もう暗くなっているが左(南)側は山、右側は川だとわかる道を進む。20分程走り、トンネルを越えてすぐに『七面山登山口』と書かれた標示を見つけ、左折。ここが登山口の『
角瀬』だ。コピーをとっておいた
ガイドブックにはここに車を置いてタクシーでもう一方の登山口の『
羽衣』へ行き、縦走するコースが載っている。身延からバスで来る場合も同様だ。今回は羽衣コースピストンを考えていたので、ここは通過。(
地図)奥の林道を進む。すれ違いの出来ない幅の道もあったので、注意して進むが、この時間なら向こうから来る車はないだろう。橋を2回(?)くらい越え、ゆっくり10分程走ると建物が見えてきた。一度突き当たりまで行ってしまい、外へ出て様子をみると宿坊の敷地内らしい。Uターンしてみると上へ行く道を見つけることが出来た。
くねくねと上って行くと旅館『春木屋』の向かいにトイレが見え、その奥には車がズラリ10台ほど並んでいる。ラッキーなことに1台分の空きスペースがあったのでそこへ停めさせてもらった。トイレへ入ってみると、なんと水洗だった!案の定(?)softbankは圏外だったが、公衆電話があったので、家族にも電話出来た。
※私の拙い説明より
こちらが詳しいです。
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19:35 画像右にトイレが写っているが、分かりますか?
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目の前には街灯があり、結構明るい。フロントガラスの部分だけを覆って就寝準備。アラームを23:55にセットしてとにかく休むことにした。 |
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さすがに熟睡は出来ず、うつらうつらしていると車の音に起こされたりした。ここへ深夜にやってくるのだからこの車の主もダイヤ狙いだろう・・・
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アラーム一発で起き、山の準備を開始した。まずはペットボトルのカフェオレを温め、テルモスに移すことにした。昨晩の内にやるよりも出発直前にやる方が山の上で温かさが保つのだ。
ちなみに街灯で明るいし、気温も割と高いので、このように車の外でザック中身の確認も行った。
暖めている間にパンで朝食。そしてカフェオレを移し終わった後はチキンラーメンの小袋も食べた。なにしろこれから4時間以上歩くのだからね。 |
0:40頃に到着した登山者に登山口を尋ねられたが、「私も初めて来たので分かりません」と情けない返事。彼は諦めてさっさといってしまった。
その数分後に私も出発。公衆電話の手前で準備している人に聞くとそこ(電話の直ぐ先)だと教えてくれた。
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0:49↓この画像左の案内図
街灯がちらほらある道を登る。参道だけあってとても歩きやすい。
ほんの数分でなにやら建物の脇を通過。この時点ではサッパリ分からなかったがこうしてレポを作りながら調べてみた。(以下☆で表記)2丁目の『神力坊』だったことが分かる。 |
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道の両脇は大木が並んでいるようだが、何しろヘッデンの灯りで見えるとこしか視界が無い。足下を見ながらひたすら歩く。
1:08 五丁目。この時点では5丁ごとに画像を残し、コースタイムを計ろうなんて考えていた。
この頃聞いていたのがこれ。日の出狙いで未明に歩いたことはあるが、日付の変わる頃に歩いたことは無かったので、今日初めて聴いた番組だった。ところが、この春の改編で終わってしまうらしい。正直あまり面白く無かったが、こうして足下だけを見ながら歩くのに音が全くしないのは辛かったのだ。 |
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1:35 ここは何処?昼間は売店なんだろうな・・・
☆→13丁目の肝心坊
2:00 20丁目を通過。 |
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2:14 この建物の脇がトイレ。トイレの奥に行こうとしたがここは道では無かった。良く見回して正しいルートを発見。
☆→23丁目の中適坊
空を見上げると☆☆☆。上ではきっと富士が見えるだろう。 |
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2:47 そろそろ雪が出てきた。でもまだアイゼンを履かなくても大丈夫
2:53 31丁目。30丁目は撮れなかった。
この頃吹いてくる風はなんだか生暖かく感じた。昨晩の天気予報では南風で東京は20℃まで上がるとのことだったが、上ではどうなるだろうか。 |
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あちこちで凍結しており、注意しないとこけそうだ。このストレスを抱えて歩くならさっさとアイゼンを履いた方がイイ。ベンチを見つけ、ザックを置き、装着。ついでにテルモスのカフェオレで身体を温め、リスタート
←3:05
しばらくしてまた雪が無くなってアイゼンが邪魔になり、再びしまった。 |
3:35頃建物に到着。(
☆→36丁目の青雲坊)一休みして出発しようとする頃に一人が追いついてきた。彼は徹夜で駐車場に着き、1:20頃歩き始めたとのこと。多分彼の方が早く、また追いつかれるだろうと思ったが、その後追いついて来なかった。彼はバテたのかな・・・
青雲坊付近には雪が無かったが、ほんの数分で再び雪が多くなり、またアイゼンを履いた。
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4:03 40丁目。よ~し、あとちょっとだぁ~
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この付近の雪の様子。こうして足跡は沢山あったが、結構大変だった。 |
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そして、
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4:37 和光門
ポケットのガイドブックのコピーにこの門から先がゴールの敬慎院の境内とあったので、ホントに嬉しかった。
門をくぐると上までバッチリ除雪してあった。
(これは帰りに上から撮影。)
後から考えればバカだったが、ヘッデンの灯りではこの上の様子が分からない。とりあえず、アイゼンを外さずに脇の雪があるところを上った。 |
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門からほんの数分でここへ。暗がりだが、この付近はバッチリ除雪してあることが良く分かったので、ここでアイゼンを外した。その頃ゴツイ三脚を担いだ人が追いついてきた。先程(青雲坊)会った人かどうか聞いてみたが、私のことは分からない。多分さっき追い抜いた人だろうとの返事だった。
彼もここに来たのは初めてでこの先どこへ行ったらいいのかなど話していると、丁度敬慎院から数人三脚を担いだ人が出てくるところだった。彼らと一緒に展望所を目指した。 |
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随身門
いよいよだぁ~ |
展望台(
遥拝所)へ着くと4,5人が既に三脚を設置している。私も展望盤の傍に三脚をセットした。気温はそれ程低くないが、かなり強い風がふいていた。フリースとダウンを着込んだ。
さて、肝心の富士は・・・
見えない
そんなあ~、せっかく登ってきたのにぃ~
その頃、
やけにおしゃべりなオジサンの声が聞こえてきた。
「12時頃はもっと見えていたんだけどな~、ちょっと雲が出てきちゃったな~」
彼は敬慎院に泊まっているとのこと。
そして、
「ほら、よく見ると富士の頭は見えているじゃないか。」
よ~く目を懲らして見るとそういえば見えている。マニュアルにしてピントを無限にあわせてf5.6で撮影。(30秒)
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5:04 |
撮影後にモニターを見ても良く分からなかったが、こうしてPCの画面で見てとりあえず(?)写っていることが分かって良かった。
”や”さん、
ダマチョさん、
ヨッシーさんなどの『夜景の達人』は殆ど見えていない富士をどうやって撮っているのか、今度こそちゃんと尋ねてみよう。
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この付近の様子。左端が私の三脚。 |
明るくなって来る頃には富士にかかる雲が大分とれてきた。今度は30秒にあわせて、-1位に設定し、f値はカメラ任せで撮影。
「良かったな~お兄さん、撮れたじゃないか!」とは先程のおしゃべりオジサン
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5:21 |
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5:24 |
周りに居た人の顔がお互いにはっきり分かってきた頃、左隣で撮影していたベテランさんに声をかけられた。
「あれ、ホームページやってるよね」
これは
先週と同じ展開か~
N「ええ、分かりますか?」
「のぞむさんだよね。見てるよ。
この前は身延だったよね」
N「あ、ありがとうございます。貴方もネットをやってらっしゃるのですか?」
「私はね
甲州斎って名乗ってます。最近は富士だけではなく、お祭りの写真も撮ってるんだ」
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記念撮影をお願いした。
ホームページを拝見すると顔出しをしていないので小さめに・・・ |
(時間は前後するが)右隣では若い男性がフィルムカメラで撮っていた。なんでも知人から借りたカメラで使い方がよくわからない。そして、こうやって夜明け前から写真を撮るのは初めてとのことだった。その隣にいた人に露出をばらして撮った方がいいなんてアドバイスを貰っていたが、換えのフィルムを持ってきていないとのこと。ビギナーなのに夜中に何時間もかけて来たなんてある意味スゴイかも。彼は買ったばかりのコンデジも持ってきていたので、その使い方を分かる範囲でシャッタースピードを遅くすることなどをアドバイスした。コンデジならモニターで撮ったばかりの画像を確認出来るので、雲海の動きも写っていたことを感謝された。
「こうやって撮るのは初めてですけど、みんな仲良くってイイっすね~。オレが聞いた話だともっと場所の取り合いになることもあるって」
N「そうですね。山中湖などでも人は多いけど、下ではこんな雰囲気にはなりません。やっぱり苦労して登ってくると連帯感が生まれるんですよね~」
この話は甲州斎さんも同意していた。
「ほら、ここから見ると尖りが2つ見えるだろう。こうやって見えるのは○○から・・・」
さらに「何度も撮っているから分かるけど、今日はあの右の尖りくらいから昇るんだ。明日が真ん中。」
とオジサン(もう『おしゃべり』とは書かない。同じ人を指す。)
なんと彼は春分の日の前後はここに泊まり、ダイヤを狙っているそうだ。しかも今年で
13回目!
彼の声は正直うるさいけど、為になった。上記のヨッシーさんのレポによりダイヤになるのは
6時頃と分かっていたが、彼も同じ事を話していた。
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5:54
大分色が出てきた。 |
突風がふいて私の足下にあったスパッツの袋が飛び、展望台の斜面に転げ落ちてしまった。ちょっと急斜面なので、結構気合いが必要だ。後で拾いに行けばイイか。とりあえず今はダイヤが優先だ。
この頃、団体さんが到着し、賑やかになった。
「
間に合って良かったな~」とはオジサン。いやいやホントだよ。4時間頑張って間に合わなかったらシャレにならないよね。
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そういえばと随身門を撮影。
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これがライブカメラか~
(甲州斎さんに貴方も写っているよと指摘された) |
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6:05
そろそろだ~ |
あれ、甲州斎さんが居ない。彼の三脚はそのままだが・・・
あ、後ろだ。門の傍にいた!
そうか、
あのアングルを狙っているのか!
私も大急ぎで彼の傍へ
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そう、この釣り鐘を入れた方が雰囲気が出る。
ヨッシーさんのレポにもこれを入れた画像があったっけ。 |
そして
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夢中でこの釣り鐘を入れてアングルを変えて撮影。
後で甲州斎さん、オジサン、ビギナーの若者に見せてほめて貰った。社交辞令もあったかと思うがまあイイ。
ところで、この日にモニターを見た時点ではうまくいったと悦に入っていたが、帰宅してPCで画像を見て愕然とした。画像右側にはあのゴミが写っている。あの時と同じだ。数ヶ月前にも同様のことがあり、クリーニングに出し、その際に直接。ペンタックスの業者の説明を聞いたが、構造上仕方ないとのことだった。よりによってこのタイミングで出てきたとは・・・とほほ。
私はフリーソフトのJTrimで『ノイズ除去』を使って大分消したが、これ以上無理。いい方法をご存じの方は教えて下さい。 |
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6:12
6:09の時点で「あれ~、おかしいな。真ん中から昇った」とオジサンが大声で話していたが、結局は彼の言った通りの位置に昇った。
それにしてもゴミが~(泣) |
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もう昇ったら少し変化をつけないとつまらない。数m移動してみた。門の枠を入れてみた。 |
三脚に戻り、さて斜面のスパッツを取ろうかと覗き込んでいると、
「あ、アレっすね~、オレが取りますよ~」と若者
自分で行くと制する間もなく、さっさと斜面を降りて、戻ってきてくれた。さすが、若い!!
お礼は勿論だが、こんなことを提案した。
N「さっき話しましたけど、私はホームページを作っていますが、富士を撮りながらその様子を日記のように書いているんです。一緒に写ってもらい、このことを書いてもイイですか?」
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カメラは甲州斎さんにお願いした。
彼が万歳ポーズを取るので私も・・・負けてるな。
上田市のAさん、ありがとうございました! |
徹夜で登ってきたという甲州斎さんやAさんを見送ったが、私はまだやることがある。
そう、せっかくここまで来たのだから山頂まで行くのだ。
正直誰も行かないようなら無理しない方がイイと思っていたが、埼玉からバスツアーで来たという団体さんも上まで行くとメンバーの一人に聞き、安心した。また、「上まで行っても周りは木であまり見えないぞ。でも、一回くらい行ってみて記念写真を撮ってきたらイイ。」とオジサン。彼も私のことを気にかけてくれたのか。
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山頂に行く前にエネルギーを補充! |
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7:10 山頂に向けて出発。この轍は何なんだろう? |
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百mほどで荷揚げ用のケーブル小屋へ。そこから先は雪が結構ありそうだ。先程Aさんに救ってもらった(?)スパッツを履いた。
新しい踏み跡があり、どうやらこれを辿っていけば良さそうだ。
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ところで、人の踏み跡にまじって、これ(下)があったが、何だろう?
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始めはほぼ平行移動か、緩~い傾斜だったが、
7:42 ここからそれらしくなってきた。そうだよ。登らなきゃ山頂に行かないよね。 |
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7:52 この付近は道幅があまりなく、そこそこ急になっていた。 |
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8:04 『これ』には『危険・立入禁止』と書いてある。むむ、この先はひょっとしてアレ(後述)が見えるんじゃないか~
この先へ行ってみたい衝動をこらえ、とりあえず山頂を目指した。 |
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8:12 ピンクのテープ (これ)を辿って進む。もう着くはずだと2回ほど騙された。山頂まで意外に遠い。 |
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8:21 お、今度こそ |
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8:22 ホントの山頂だぁ~
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Aさんの真似をして(?)万歳ポーズ。
ヨッシーさんのh17のレポでは山梨百名山の標柱が無いとあったが、これはわりと最近立てられた感じだ。 |
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ここの標高が1982m、登山口の羽衣が510m・・・標高差1472mは今までで最高だという訳だ。頑張ったな~
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この周りはズラリ木々で囲まれており、わずかにこれが見えただけ。
どうやら塩見岳らしいのだが、さて? |
私が到着した数分後に年配の3人組が反対側からやって来た。なるほど、私が辿ってきたトレースは彼らのものだったのか。彼らは
喜望峰までピストンしてきて、とても眺めが良かったと話していた。ネットで調べて喜望峰の存在は知っていたが、さすがにもうイイ。無雪期のコースタイムが敬慎院からここまで50分の所を70分かかっているのだ。往復1時間がその通りに行くはずがない。そもそもこの後長い長い下山が待っている。(とここまで数秒で判断!?)
せっかくなので、こんな質問もしてみた。
N「
あのガレはどこから見えますか?ひょっとして、あの立入禁止のロープの向こう側ですか?」
「そうだね。注意していけば大丈夫だよ。覗いてみたら?」
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そう、先週身延山から見たあのナナイタガレを間近で見たかったのだ。
※これが詳しいです。 |
う~ん、↑このレポで使った画像だけじゃ迫力がないな。
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どうだ!
(身延山山頂から) |
ザックからクリームパンを出し、テルモスのカフェオレでまったりしていると今度は先程下(展望台)で少し話をした埼玉の十数人の団体さんが登り着いた。リーダーらしき人に頼まれ、標柱と記念撮影。リーダーさんの話ではバスで深夜に到着し、殆ど寝ずに登ってきたとのこと。これが4回目だが、この行程はキツイとぼやいていた。
この団体さんが山頂に居る時間はなんと10分間。リーダーさんが帰りはアイゼンを付けることを勧めていたので、私もそれに倣った。
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8:47 下山開始 |
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8:53 踏み跡を見つけ、ロープの向こう側へ
後ろの団体さんの方から「気をつけてね~」と声がかかった。
よし、向こうだな・・・
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おお、間近で見るとすげぇ~
向こうには川も見え、そして見づらいが富士も・・・
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9:00 再びロープを越え、元の道へ
この辺りで同じワッペンを付けた別の団体さんとすれ違った。ここまで登るには下から4,5時間かかるのだが、こんなに人が多いとはビックリだ。 |
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9:08 登りよりも下る方が神経を使う。そういえば先程リーダーさんが「アイゼンのツメを木の根っこに引っかけないように」とメンバーに声をかけていたっけ。 |
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9:16 登りでは気付かなかったが、この角度からガレを見ることができたのか。 |
行きに通った平坦な道をのんびり戻った
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遠くからダダダ・・・と音が聞こえてきた。(相変わらず幼稚な擬音だなあ)
9:41 ここまで来て音の正体が判明。
なるほど、荷揚げのケーブルはあのように使うのか!
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ところで、↑にもチラッと写っているが、ここからは
北岳が良く見えた。喜望峰まで行かなかったが、これで代わりになるかな。
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9:50 再び展望台へ
ガハハハ・・・(ちょっとイメージが入っているかも)
あれ、あの声は・・・向こう(『ここ』と表記したが、失敗)に居るのは先程のオジサンじゃないか! |
「お~、随分かかったじゃないか!」
N「ええ、写真を撮りながらのんびり行ってきました。」
「頂上は何にも見えなかっただろう」
この辺りの会話はあまりかみ合っていなかった。とりあえずオジサンは隣にいた別の方と話し中だった。
こちらは太陽が大分昇って撮り易くなった富士をもう一度撮影することにした。ここから見ると大沢崩れがこの角度で見えるんだよね。
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先週居た身延山ロープウエー |
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今は条件が良くないが、本来はこのように見えるはずだ。 |
そうだ、せっかくだからあのおしゃべりオジサンのこともレポに書こう!
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←名前も教えてもらった。名古屋のMさん。インターネットなど全くやらないとのことだったので、私のメモ帳を一枚破き、こちらの名前と住所を書いて渡した。あわせて『望の富士山』と書き、どなたか分かる方にやってもらって下さいとお節介。う~ん、伝わる可能性は低いかな。 |
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「お兄さん時間はあるかい、じゃあオレの話につきあってくれ」とデカイザックからゴソゴソとバインダーを取り出した。
前述したように彼は春と秋のお彼岸の休みにはここ敬慎院に泊まってダイヤを撮っているが、その写真をプリントし、ご住職にプレゼントしたそうだ。
←はL版だが、他にも6つ切りにした槍ヶ岳の写真なども見せてくれた。
そして、彼は富士専門ではなく百名山マニアでもあり、テントを担いで○○を一週間かけて縦走したことや、○○岳で台風にやられ2日停滞したが、その晴れ間にすごい風景を撮れたなどの武勇伝を語った。 |
「オレは周りから変人って言われてるんだ」
「また、今年の9月にここで会おう、ガハハハ・・・」
うん、
確かに変人かも・・・でも、すご~~~くインパクトのある人だった。
このレポをご覧の皆さんも七面山に登るとこのMさんに会うかもしれませんよ。
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10:16 行きとは違う道を降り、和光門へ。 |
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10:28 もう溶けているかもとの読みは甘かった。再びアイゼンを付けた。
ヘッデンで足下を照らして登ってきた道の印象は曖昧だ。どこでアイゼンが必要で、必要でないのかなんてもう思い出せなかった。 |
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10:45 この辺りは微妙。注意すれば降りられるが、こけたくないので、ムキになってアイゼンを付けては外しを4回くらいやったかな。お陰で装着と取り外しが随分早くなったかも。
続々登ってくる人達と出会うが、半分弱は普通のスニーカー。彼らは登るときに怖くなかったのかな。そして、降りるときは・・・ |
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11:19 あれが青雲坊だよね。こうして取り外したアイゼンを撮ってみたが、狙いすぎて何を撮りたかったのか思い出せない・・・ |
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このように信者の方が書いた標語があちこちに立っていたが、この言葉はインパクトがあったので、つい撮ってみた。
この趣味を初めてもう随分経つけど、初心に戻れるかな~ |
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11:50 お、どうやらここは展望が良さそう・・・ |
北岳からズラリ山々が連なると書きたいが、何が見えているのか調べる気力が無い。下から登ってきて、朝の光線でここに居ると感激するのだろうが・・・
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麓の集落がイイ感じ
レポを作りながら調べているが、ここは『赤沢集落』、身延山と七面山を結ぶ昔の宿場町でその当時の面影が残されているとのこと。 |
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12:21 23丁目の中適坊
やれやれようやく半分過ぎたか。先は長いなあ・・・
既にパンを食べ尽くし、出発前にはパンパンだったポケットのチョコや飴が大分少なくなってきた。テルモスのカフェオレとペットボトルのスポドリはもう空、後はカップ麺用に担いで来た水の残りが少し。う~ん、シャリバテもあったかな。 |
でも、後は降りるだけ、イヤホンから聞こえてくる
永さんの番組では
ピーコさんがお化粧のhowtoについて
外山アナに語っていた。(多分)
そんなとき、下から大きな声が聞こえてきた。
なむ、みょう~~~~ほ~~うれん、げきょ~ぉ
なむ、みょう~~~~ほ~~うれん、げきょ~ぉ
なむ、みょう~~~~ほ~~うれん、げきょ~ぉ
(~の長さで伝わるかな。)
そう、
「南無妙法蓮華経」である。
下から白装束の集団が登ってきた。若い人からお年寄り、そして小学生くらいの子どもも居た。
こちらはやや大きめの声で
こんにちわ~と先手を打った(?)が、
ご苦労様ですが十回くらい返ってきた。信者の方々はこの道を数十回、数百回と登るそうだ。もともとここは信仰の山で、ここは参道なのだ。ダイヤ富士を求めて登る私(達)の方が部外者なんだよね。正直、圧倒されたが、彼らの
表情がとても穏やかなことに驚いた。修行ってもっと辛いものではと思っていたが、少しイメージが変わったかな。
その後、同様の集団に1回、2,3人のグループや単独で登ってくる信者の方と数回出会った。彼らの「
ご苦労様です」が心地よかった。
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撮ったら失礼かな、でも後ろ姿を・・・ |
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12:41 13丁目の肝心坊 |
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12:50 9丁目!よ~し、カウントダウンだ~
とても歩きやすい参道なのだ。ついついスピードアップ!
ところで、こんなに下まで降りてきても続々と登ってくる人達と出会った。いくら何でも、頂上までピストンするのは無理。この全員が途中や上で泊まる訳では無いだろうし。はて? |
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13:11 壱丁目 |
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13:12 tantoが見えた~、
トイレから2台目。『ここ』です。
ちょこっとだけ白糸の滝をパチリ。でも、もうあそこまで歩く元気は無かった。
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丁度これから(?)出発しようとする年配の3人組に「アイゼンは必要か」と尋ねられたので、「大分溶けていますが、下りはあった方が安心です。私は使いました」と答えた。
答えた代わりにって訳じゃないけど・・・
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(「この車の前で撮って下さい」
もう恥ずかしさなんて関係ない。自然と出てきたこのポーズ! |
取り合えず、汗びっしょりのウェアとパンツを全部着替えた。車内には『バカうけ』が数枚残っていたが、これじゃあ足りない。昼ご飯を求め、角瀬へ戻った。いつもなら明るくなったのでこの付近の様子を撮影し、レポに載せるのだが、さすがにこの日はヘトヘトでその気力が無かった。
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今更だけど、角瀬の駐車場にあった案内図 |
大衆食堂をイメージしたが見つからず、県道沿いの南アルプスプラザ(
参照)で焼き肉定食(900円)を注文した。先程の羽衣では圏外だったが、ここ角瀬ではちゃんとアンテナが立ったので、あちこちに写メール!え、食事中なのにマナーが悪いぞって・・・いやまあ。
tantoに戻り、どうやって帰るか考えた。行きは高速を使って贅沢したので、帰りは下道で行きたい。でも、
先週と同様に52号から139号へ出たら、渋滞にはまるのはもうイヤだ。
そこで、遠回りは承知で、久々に
469号経由で帰ることを考えた。この道は
去年の2月に越前岳までは往復したが、それより西となると・・・
3年前の3月に桜を見に行って以来か。さて、以前は工事中だったがどうなっているかな・・・
まずは県道37号を東へ、波高島で
県道9へ。先週泊まった
ペンション こだちの前を通過。ひたすら南へ。MAPPLEに『国道より交通量少なく快適に走れる』とあったが、その通りに順調に流れた。身延辺りで県道10に合流した。道の左右には春の花が華やかだ。停めて撮影したい気持ちもちょっとあったが、行動に移すパワーーが湧いてこない。やはり疲れているのだ。
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15:06 なんぶの湯
入浴料は500円(2時間)でリーズナブル。露天も内湯もイイ感じで、のんびりできたが『2時間』とあったので、時計を見ながら1時間を残して出た。きっと畳の食堂兼休憩室があると思ったのだが、うまく探せず、諦めて外へ。今ネットで調べたら、ちゃんと『休憩室』しかも144畳があった。それに、受付のオバチャンに聞けば良かったんだけど・・・ |
何故、そんなに焦っていたのかって?
実は風呂に入って緊張が解けたら(?)
一気に眠気が襲ってきたのだ。駐車場に戻り、夕陽が差し込まない向きにtantoを移動させ、再びシートをフラットにして、寝袋へ。アラームを1時間後にセットして爆睡。
アラームが鳴り、どうにか起きた。正直二度寝したい気持ちもあったが、これから先が遠いのだ。
県道10を稲子で
国道469へ・・・ところがしばらくはどこが国道なのかと思うほどに狭い道。こりゃ~、県道どころか林道並みだよ。なんてぼやいていたが、富士宮市内に入り、
h18.4に桜を撮った大石寺辺りからは知った道だ。途中は信号は殆ど無く、御殿場側から来る対向車はわりと多いものの、こちら側はかなり順調だった。
が、
子どもの国(
地図)付近からシャレにならない
濃霧!前や対向車のライトを注意深く見ながら、そして蛍光テープを身体に捲いた自転車の集団に気を遣っての運転が20分ほど(?)続いた。あ~、しんどかった。
仁杉で138号へ。大分交通量は多くなったものの流れていたが、この辺で休みたくなった。
138号左側のレストラン『
けやき』へ入った。(ググったが出てこない。しかも画像無し。)
『
当店はすべて手作りなので少々お時間を頂きます。』の文字、お、ひょっとしてこだわり親父のお店か?
貧相なマスター(失礼)が一人でやっているお店で、昭和の匂いのする店内。きのこスパゲッティー(950円)を注文。結構待たされたが、湯気が立ち上りホントにできたての手作り感ばっちりで、これがまた美味しかった。明らかに儲かっていなそうなので、次に行くチャンスがあるかどうか分からないが、なかなかの名店だった気がする。
山中湖から道志道(413号)へ。さすがにこの時間だと交通量は少なく、相模原まで一気に行くことが出来た。
だが、この辺で、また眠気が襲ってきた。メントール系の飴でごまかすのはもう無理!城山ダム付近の駐車場へtantoを停めた。ここは大型トラックが休憩に使用しているポイントらしい。目の前の国道は相変わらずの交通量だが、もうイイ。再びシートをフラットにして、寝袋へ。アラームを1時間後にセットして爆睡。
仮眠をとって時間をずらしたのがうまくいったらしく、いつもは混んでいる橋本や南大沢周辺、そして府中市内も順調に流れ、自宅に帰り着いたのは23:40。
色んな意味で達成感バッチリの1日が終わった。tantoに荷物を残したまま布団へ
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3.22 扇山、百蔵山