h20.7.6 杓子山5、鹿留山2
前の富士は
6.16 サムネイルをクリックすると大きくなります
梅雨に入り、土曜休みもなく前回の山行から3週間。12日土曜には予定があり、6日の日曜日を逃すと楽しみにしていた19,20の八ヶ岳までに山に行くことが出来ない。6日の河口湖周辺の天気予報は午前中は晴、夕方から雨、雷雨になるかもだった。思い返せば焦っていたのか、せっかく買ったデジイチを試してみたいとの思いもあり、この山行を強行したのだった。
当日はいつも通り3:30起床。国分寺5:08、立川乗り換えで大月へ。始発の富士急で富士吉田。
今回は7:20発の向原行きへ乗車。「大明見へはこれで良いんですよね?杓子山に行きたいんです。」と尋ねると若い運転手
(どう見ても二十代)はいそいそと案内所?へ。2,3分で戻り、「はい、バス停から直進して下さい」との返答。こちらは車で通ったこともある道だったのにわざわざ確認に行ってくれたとは・・・有り難う!君のような若人が明日の富士急を背負って立つんだよな。(エラソーニ)
ところで・・・今回も乗客は私一人!ガンバレ富士急!!!
7:30 大明見バス停
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今日は陽が強そうだ。車中で日焼け止めを念入りに塗る。あ、これってマナー違反かな・・・・
3月にこの辺りは歩いたな〜と思いながら下吉田の街並みを見ながら大明見バス停までは10分程で到着。バスがなければ歩いたってど〜って事のない距離だ。
バス停から1分で駐在所。その奥へと進む
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7:36 Y字路を左へ
「鉱泉閤へ2k」の標示。車ならあっという間なんだけどな〜
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富士はこの通り。この時間は見えていたけど・・・
途中で農作業中のオッチャンに声をかけられた
「杓子山かい?」
「ええ」
「今日はイイ天気だなあ。こういう日は江ノ島まで見えるぞ」
ちょっとそれは・・・でも、登山日和だね |
8:00 鉱泉閤
山頂まで2時間30分の標示有り
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暑い・・・
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8:12 不動ノ湯
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路駐の車が5台程。登山客かと思ったが外れ.。ここの水を汲みに来ていた人達らしい。アトピーなどに効くそうだ。
そういえば、ゲートまで入れるのが分からず、h15.10はこの先に車を停めて3時頃に歩きだしたっけ・・・
車も通れる歩きやすい道をグイグイ登る。 |
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おはようございま〜す
え、後ろから声がした。今回もラジオを聴きながらだったので、ビックリした。
なんとmtバイクのオニーチャン!
彼とは20分程後に再会した。いや〜こんな道も走っちゃうんだね〜 |
8:41 車止めゲート
オオザス峠まで50分・杓子山山頂まで1時間20分の標示有り
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車での登山客が居るかと予想していた外れ。ここから杓子山を往復するだけなら楽ちんコースなんだよね。私も2回目はそうだった。その時はわざわざ下から歩いて縦走しよう何て夢にも思っていなかったよな〜
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8:52 このY字路は直進
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ウツギやシモツケがあちこちでみられるようになってきた
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9:15 大ザス峠
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@新しい案内表示なのに誤字かよ!
A富士の方角はこの通り
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9:25
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この辺りからは傾斜が急になってくる。でもあと一息で頂上だ。
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←サンショウバラを発見
↑フタリシズカ |
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この山にもアヤメ
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9:53 ロープ!使わなくても登れたけどね
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9:55 杓子山頂上(1598m)
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@コンビニ弁当で早めのランチ
年配のオッチャン(※)が登り着いてきた。地元にお住まいの方で、ゲートに車を置いてきたそうだ。花の名前に詳しく色々な事を教えてもらった。(A記念撮影もこの方にお願いした)
ここで初めておニューのデジイチを取り出し、あちこちを撮影。 |
デジイチで撮っても被写体がね〜・・・そもそも今までと同様に画像サイズを小さくしているのでコンデジとの違いは分からないよね〜
Aは「ほら、そこにも咲いて居るぞ」と
※が教えてくれた。丹沢とこの付近にしか咲いていないとのこと。
10:33 出発
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もうこの道は4度目だが、こんなに緑の多い季節に歩くのは初めてだ。新鮮だ〜
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10:54 露岩ポイント
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ココは大好きなポイントで、富士が見えていればこの(h18GW撮影)通りなのだが・・・
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実際はこの通り・・・これらもデジイチで
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ここで15分程過ごし、今度は鹿留山を目指して出発。
わずかだが登る。
これは?
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11:08 子ノ神
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この分岐を奥へ、深い緑の中鹿留山を目指す。
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11:18 鹿留山(1632m)
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ミズナラの大木に私製の山頂標が付けられていた
ところでこの時間に安住紳一郎の日曜天国ではあの世界の松下元アナウンサーがゲストだった。そういえばラジオの実況であの声を聴かなくなったな〜と思っていたが、5月に昇進して、現場を離れたそうで・・・名物アナの声が聞こえなくなるのもちょっと寂しいね。 |
この辺りの巨木をデジイチで撮影してみた
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ところで私はブナとミズナラの区別がつきません。これらはどっちでしょう? |
11:36
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鹿留山を下山、ここからは結構急傾斜なんだ・・・
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スデ〜ン
あ〜やっちまったか〜 |
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ここから下はハードな下り。下向きに撮ってもそれが伝わらないので、ポイントを下ってから見上げて撮影 |
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この付近で年配のパーティと出会った。
ここは登りにとるとかなりハードだよね。やるう
彼らの次に人に出会うのは翌日の夕方になるとはこの時点では想像もしていなかった・・・ |
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このロープもスリルある〜 |
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傾斜が緩くなり、この付近から緑が濃くなってきた。@A
Bヤマオダマキだよね。これも結構お気に入りなんだ
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12:33 立ノ塚峠
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ここでザックを下ろし、ソーセージパンで一休み。
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12:41 さあ二十曲峠に向けてしゅっぱ〜つ
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3分後ストックを忘れてバック!もう何回目かな・・・ |
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13:04 この辺がエアリアの「見晴らしの良い草原」かな・・・
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13:11 その後も道なりに |
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13:24 あれ・・・ |
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13:28 まあ、何とかなるかな・・・ |
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13:31 これがこの日最後の画像。まだ十分に明るいし、心配していた天気もまだまだ持ちそうだった。
そう、この辺でとにかく戻れば良かったのだ・・・ |
さて、ここからはデジで撮っていないので、記憶を手繰っていくしかないのだが・・・
一番良くなかったのが、「この方向へ行けば二十曲のはず」と思っていたこと。
そして何よりも
コンパスを忘れたこと
エアリアはあっても、木々が生い茂り、太陽の位置が分からないのでは東西南北も分からない。
しばらく文字通り彷徨った。
時間はもう覚えていないが、みるみる空が暗くなってきた。さすがにヤバイと思い始めた。
とにかく、檜洞丸に行く直前に買った
レインダンサーをザックから出して着て、ザックカバーも付けた。もし、降り出しても何とかなる。食欲も無かったのでザックからとっておきのゼリードリンクを取りだて飲んだ。
「上に出れば目印がある。」そう、稜線に出ればきっと登山道に当たるはず。そして、
二十曲に行けるはず。この時点でもこんな事を考えていた。
☆そこから登るのは大変だった。今までこなしてきた急坂はどんなにきつくても登山道として整備されていたのだが、ここは登山道ではない。掴まろうとうした枝も、もろいモノも多く、また、足元の土もどんどん崩れ、踏ん張りが効かないのだ。肘、膝を使い、這うようにして斜面を登った・・・
稜線に 辿り着いた。
あ、これって踏み跡じゃないか!
# 切っておいた携帯のスイッチを入れてみたが圏外。山の中ではこうなんだよな。
二十曲を目指した・・・記録を書いている今、ホントにバカ!と思う。でも、この時はそう考えていた。
どうにかたどれる踏み跡を進んだが、しばらくしてそれは消えた。
「とにかく向こうだ」
せっかく登った山?を今度は下った。(この辺りはかなり記憶が曖昧・・・)
あ、沢に出た。その先は深い谷・・・
これはヤバイ。それ位は知っていた。こういうときは沢に降りてはいけないのだ。
とりあえず横の山が見えた。今度こそ、この山の上に登れば何とかなる。少なくとも現在位置は分かるはず。
もう、この時点で(その前からか)パニックだった。
☆のくり返し
この途中でストックを土から引き抜くときにシャフトが曲がった。悔しいが、諦めて置いてきた。
もう時間の感覚は無いが、1回目よりは上に登る距離は短かったはず。どうにか上に着いたが、もう、ヘトヘトだった。
雨はまだ降っていなかったが、今度は遠くで
雷が聞こえた気がした。
山の上に居ると落雷があるかも
今度はとにかく下を目指した。降りれば何処か林道に出るはず・・・
この斜面を降りていくのは怖かった。明るい時間なら、気持ちに余裕があったなら、こんなトコ行こうと思わなかったはずだ。
下を見下ろすと、ちょっとやばそうな段差があった。そう、マトモならとにかく引き返そうとしたはず・・・
でも、そっといけば何とかなるとこの時は思ってしまった。
スローモーションの様に足元が崩れたのだ。
滑落
尻から落ちた。2,3mだったと思う。
ひょっとしてもうダメなのか・・・数秒?は動けなかった。
痛みはあったが、とにかく先へ進めば下に行けるはずだ。進むしかなかった。
進んだ先の沢は数時間前と違い、何とかなりそうだった。
この時点では・・・
もう帰りは遅くなった。仕方ない。お金がかかるけど、タクシーを使おう・・・こんな事を考えていた。
沢下りは経験があったが、それはペンキやリボンなどで迂回ルートがあったときばかりだ。今度は人の通るような所ではない。とにかく段差の少ないところを選び、一歩一歩慎重に進んだ。何回か、くるぶし位まで水に浸かってしまったが、もう進むしかなかった。不思議と靴の中まで濡れてどうしようもないことは一度も無かった。
途中で捨てられたザックを発見した。ぴーんと来た。
沢登りのコースだ。
とにかく進めばルートが見つかるはず!
頑張って最後の力を振り絞った。膝が上がらなくなってきたので、尻を使って岩を滑り降りたことも何度もあった。
あ、向こうが開けた・・・・
という事は・・・・
念のために近付いた。
断崖絶壁
ホント、ハリウッドもの様な展開だった。勿論、彼らは「WA〜」とか叫んで滝壺に落ちても助かるのだろうが、私はどうにも出来ないのだ。さすがにパニックしていた頭でもこの先に進めないこと位は分かった。
この頃の時間が
18時。
もうダメだ。
さすがにヘトヘトで登り返す元気などあるはずも無かった。
#くり返し
諦めてからはややマシな行動をとることができた。
とりあえず、数m戻り、雨をしのげそうな岩場の陰を見つけた。そう、
ビバークするしかない。
暗くなってきたので、ザックからヘッデンを出すが、点かない・・・あちゃ〜電池切れだ。そういえば
2月の丹沢以来チェックもしていなかったよな〜。まさか今日使うなんて思っていなかったし・・・・仕方ない、急ごう。
レジャーシートを敷いて、横になれるスペースを確保した。ココは草むらではないし、快適では無かったが、まあ直に寝るよりはマシだ。
一度服を全部脱いだ。レインダンサーのお陰で水は入ってきてはいないが、汗でぐっしょりだった。当初の計画では石割の湯で汗を流し、サッパリして着替えるはずの服だったが、とにかくパンツまで着替えた事でほっとした。
汗臭いウエアを袋に入れ、枕代わりにした。翌日動くときに山靴が濡れていてはどうしようもないし、折角のデジイチはビニール袋に入れ直し、奥へ・・・折りたたみの傘を用意し、とにかく出来るだけの事はした。
たしか、この頃が18時30位。ラジオも諦めてスイッチを切った。
まだ、家族は「今日は遅いな」位だろう。でも、夜遅くに帰らなかったら心配をかけるだろうな。捜索願いを出すだろうな。母を泣かせるかも知れない。
明日、仕事はどうしよう。職場でも大騒ぎになるかも知れない。
不安ばかり・・・
でも不思議と明日になれば助かる・・・ぎりぎりだったがこれ以上悪いことは考えずに済んだ。
体力を回復させようと寝ようとしたが、
寒い。よく雪山で「寝るな!」ってやってるけど、寝ると体温って下がるんだよね。でも、寝ないと体力は沸いてこないし・・・とにかく横になってじっとしていよう。
ああ、ハラ減った。そう言えば
クリームパンがまだあったけど。明日動く為にとっておこう・・・
空腹はそのうち気にならなくなった。
雨が降り始めた。
一応雨の当たらない所に居たが、そのままでは吹き込んでくるのは避けられない。折りたたみの傘はしっかり握っていないといけない。横になっては居たが、落ちついて休むことなど出来なかった。
暗くても私の腕時計は秒針が光るのでどうにか見ることが出来る。日の出は4時頃のはず・・・
早く夜が明けないかな〜と時計を何度見たことか・・・
こんなに夜が長いと感じたのは久しぶりだった。
翌日へ